【なんなの。】8 ☆ ページ33
☆主人公サイド
「鬼!悪魔!ドS!!」
お風呂からあがるやいなや、ゆづに文句を言う。
結局私は腹筋を100回やらされるはめになったからだ。
それだけじゃない。
柔軟も他のトレーニングも、なんだかんだ1時間くらいゆづにしぼられた。
「最高の褒め言葉ありがと(笑)」
ベッドで本を読みながら、私を見もせずに答える。
かわいくない。
「何読んでるの?…げ、筋肉だらけ!」
トレーニングに使うのだろうか。医学書のような物を読んでいる。
「ちょうどいいや。効率よく筋肉を鍛える方法教えてやろっか?」
「いいです。」
興味がないので即答したら、まぁ聞け。と言われてゆづがベッドに座る。
これは拒否権なしのパターンだな、がっかり。
「筋肉って全部繋がってるじゃん。」
「…まぁそうだね。」
「だから、鍛えたい部分だけ集中的にトレーニングするよりも、それに近い部分も一緒にトレーニングすると、より早く鍛えられるんだよ。」
ゆづがジェスチャーまじりに教えてくれる。
「へぇー。」
「つまり、練習でもそうだな。例えば四回転が何度やっても跳べないやつは、練習の仕方が間違ってるんだよ。他の関連性のある何かのトレーニングが足りないんだ。」
「他の何か?」
「出来ないことを集中して、そればかりやってるやつはだいたい伸びない。それは一番の遠回りだから。練習方法を見つけるのも才能のうち。」
最短距離で成長できるやり方をいかに早く見つけるかが、トップアスリートへの鍵。とゆづが言う。
「つまり頭も大事ってこと?」
「そ。すごく大事。ちなみに俺、高校生の時すでにそれに気付いてたから。」
げ!…怖い、そりゃオリンピックで金メダルとるよ。
「高校生のゆづ…なんだか想像できない。」
腕組みして妄想すると、女子っぽい姿が浮かんだ。
「Aはまだ高校生でもいけるんじゃね?」
「23だから!」
じっと見られて、また子供扱いされてイラッとする。
「お前年齢詐称してないよな、10代とかまじやべえから。」
「ないよ!そんなに幼くないし。」
「いやぁ〜23にしては胸が小さ…」
「普通だから!」
人が少し気にしていることを!
「冗談だよ(笑)」
「たち悪い。」
上を向いてからからと笑うゆづを無視して、筋肉の本を閉じて隅に置いやった。
「怒んないで。」
今度は背中から私に抱きついて機嫌をうかがう。
「どうせ私は平沢麗香さんより小さいし。」
こっちも半分冗談で言ってやったら、ゆづがすごく悲しげな顔をした。
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鹿(プロフ) - ゆめもちさん» 想像と現実が違ってたんですかねえ〜。勢いでっていうのほど話がつながらなくなる展開になるので、ここはまず仲直りですね^^ (2017年1月16日 15時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめもち - なぜ羽生さんは驚いてしまったのか・・・。最後までって決めたらやっちゃいなよ!と思うけど、やっぱりショックなんだろうな。好きな人の怪我は。早く仲直りして! (2017年1月15日 19時) (レス) id: 7f41978512 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みちさん» 田中の当て馬的存在が書いてて楽しいです!今はひたすら誕生日までのつなぎで、これもそんなたいしたことにはならないです^^書いてたらこんな流れになってしまっただけというか…。たまにはいいかな〜 (2017年1月14日 10時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - う〜ん深刻な事態ですね。 でも、その後主人公ちゃんを抱きしめるゆづを想像しています。毎回田中のおかげ?で2人の中がどんどん近くなっていくと言うか、結構いい仕事してくれますね! (2017年1月13日 19時) (レス) id: e8907b1922 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆめもちさん» はい。今更新しておきました^^背中を押してくださりありがとうございます。あまり面白く書けなかったような気もしますが、よかったらどうぞ〜。やはり出来上がった夫婦は難しいですね^^; (2017年1月10日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2016年12月23日 10時