【新しい一歩】6 ページ38
そう言って左手を見せた後、お父さんは頭を抱えてしまった。
突然、こんなことを言われたら、父親なら誰だってそうなる。
「A、あんたにつとまるん？スケート選手の妻なんか…。」
「僕、今季で現役を引退するつもりなんです。」
「…羽生君、スケートやめるん？！」
もうテレビで見れないの？！と、お母さんが言っている。
いや、そうじゃないんで。
「試合には出ないだけで、スケートは続けます。ショーなどが中心になる感じです。だからそんなに大変じゃないです。」
「お父さん、お母さん。私達結婚してもいいかな…？」
お父さんは、しばらく考えている。
「…羽生結弦と親戚になるんか〜。これは一大事やわ。」
え、じゃあ…。
「羽生君。君の事はテレビで見てる限りでしかわからんけど、まぁ娘にはもったいないと思うわ。」
Aが隣で苦笑している。
「娘の事、頼みます。」
「…はい。」
よかった。本当によかった。
これでAと一歩踏み出せた。
「今日、震災の日やね…。あれから7年経ったけど、東北は復興してますか？」
Aのお母さんが尋ねた。
「そうですね…正直、場所によっては、まだまだだなって思う部分もあります。でも、頑張ってる方々がたくさんいるので、僕も一緒に何か出来れば…といつも考えています。」
頷いて、笑ってくれた。
それだけで、嬉しかった。
「僕、後日、引退会見を行う予定なんです。その時に、Aさんとの結婚を発表したいんです。」
まだマスコミにも伝えていないことだ。
「…わかりました。今はまだ、誰にも言わない方がいいんですよね？」
「出来ればそうして頂けると助かります。」
いつだったか、関西の人は口が軽い。なんて言われたけど、この二人については大丈夫だなと感じた。
その後、ホテルの中華料理の店で食事をした。
少食なので大皿で助かった。
ほとんど食べた気がしなかったし、あまり記憶もないけど。
Aのご両親と別れて、俺たちはすぐに仙台に飛んだ。
いきなり、Aを連れて行く。と連絡したので、びっくりされたが。
とにかく、怒涛の１日が終わった…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - みなみさん» うわ〜ありがとうございます！今更新したので、よろしくお願いします＾＾スケートのシーンが難しくてなかなか書けませんが（笑）とってもうれしいコメントありがとうございました！ (2016年3月8日 16時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - このお話大好きです。更新されるとテンション上がります(^^) スケート教室の羽生先生、現実でも見てみたいです！生徒になりたい！！スケートに関係ない質問、いっぱいしたい！（笑） (2016年3月7日 23時) (レス) id: 334f0f497e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 梶さん» ありがとうございます！初めてのコメントめっちゃうれしいです。こんな私の妄想にお付き合いくださる方々は、一体どんな方なのだろうと日々思っていましたが、言葉をいただけでちょっと安心しました（笑）これからも読みに来てくださいね〜^^ (2016年3月4日 15時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - とてもいい作品だと思います！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月4日 13時) (レス) id: a3333499d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鹿
| 作成日時：2016年2月20日 9時
