【家族】1 ページ22
朝。
シャワーをあびて部屋に戻ると、Aが毛布のすき間からにらんでいた。
「なに？怒った？(笑)」
夕べ無理させたのは認めるけど…。と思いながら隣に腰掛ける。
「…出来ちゃったらどうするの？」
「なにが？」
「…赤ちゃん。」
別にいーじゃん。
「俺はいいけど？」
「よくない。」
意外な反応に、少し驚いた。
「なんでー？」
「仕事に支障がでる。」
「はぁ？休めばいいじゃん。Aは欲しくないの？」
俺たちの子ども。
「…欲しくないわけじゃないよ。ただちゃんと時期をみて、計画的に作りたいの！」
「そんなんしてたらあっという間に30才になっちゃうよ？」
Aは今26才。
俺より2つ年上。
仕事復帰して間もないのはわかるけど…。
「結弦はいいよ。そうやって普通にしてればいいけど…生むのは私だよ？」
「大丈夫だよ、ちゃんとサポートするし。」
「生む時期とか、仕事とか考えながら決めたいの！」
…そんなモノみたいに扱わなくてもよくない？
子どもは授かりものなんだよ？
「てか、さっきからなんなの？！仕事仕事って。そんなに俺と子ども作んのやなの？」
「そんなこと言ってません！」
「言ってる！もういい！」
俺は部屋からでた。
正直、子どもはまだ早いかな、と思っていた。
けど、気持ち的に、『今』っていう瞬間があるのも事実だし。
「昨日は俺、出来てもいいやって思ったんだよ？」
朝ご飯の準備をしながら、パンに向かってつぶやく。
Aはそうじゃなかったんだな。
気持ちを通わすのは難しい。
少し前まで、あんなに幸せな気分だったのに。
ま、仕方ない。
目玉焼きでも作ろう。
「半熟のやつ…。」
フライパンを火にかけた。
Aは、俺が食べ終わっても、まだ寝室から出てこない。
これからリンクの予約を入れていたので、出かけなきゃいけないんだけど…。
とりあえず、声だけかけとくか。
「A？俺、今からリンク行くからー、朝ご飯たべなよ。」
案の定、返事はない。
そんな怒ってんの？
出かけようと思ったその時、ドアが開いた。
「…リンク行っちゃだめ。」
「え？！」
「行かないで。」
なに言い出すんだ？A。
「…ふざけてんの？」
「…って言ったらどうする？」
Aの顔がマジだ。
「どうって…。」
「ある日突然、スケートやりたいのに、不可抗力で出来なくなったらどう思う？」
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鹿(プロフ) - みなみさん» うわ〜ありがとうございます！今更新したので、よろしくお願いします＾＾スケートのシーンが難しくてなかなか書けませんが（笑）とってもうれしいコメントありがとうございました！ (2016年3月8日 16時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - このお話大好きです。更新されるとテンション上がります(^^) スケート教室の羽生先生、現実でも見てみたいです！生徒になりたい！！スケートに関係ない質問、いっぱいしたい！（笑） (2016年3月7日 23時) (レス) id: 334f0f497e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 梶さん» ありがとうございます！初めてのコメントめっちゃうれしいです。こんな私の妄想にお付き合いくださる方々は、一体どんな方なのだろうと日々思っていましたが、言葉をいただけでちょっと安心しました（笑）これからも読みに来てくださいね〜^^ (2016年3月4日 15時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - とてもいい作品だと思います！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月4日 13時) (レス) id: a3333499d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2016年2月20日 9時
