【対談】1 ページ1
最近、ノブ君からやたら連絡がくるのだけど、それをずっと無視していたら、今日ついに仙台の自宅まで突撃してきた。
「ゆづ！あの話し考えてくれた？」
「なんだっけ？」
追い返す訳にもいかず…。
Aは今ラジオの仕事でいないので、とりあえず冷蔵庫からお茶を出してノブ君に渡す。
「あ、ありがとう。いや、とぼけんといて？ずっとゆってるやん。対談の企画！」
そう、俺がずーっと断り続けている企画。
それはノブ君との、ザ・対談。
「現役引退したスケーターに何聞くよ？」
「そりゃ家庭の事とか！」
「絶対やだ。」
そらみろ、晒しだ。
「だってゆづが出てくれな、視聴者が番組見てくれへんねんもん。出てや〜。」
「予定あるから無理。」
「いや、まだ日にち決まってないし(笑)」
最近のノブ君は、もうすっかりテレビ側の人間みたいになっている。
その温度差に戸惑うからお茶飲んでさっさと帰って欲しい。
「そういえば…。」
「なに？」
突然ノブ君がにやりと寄ってくる。
「こないだAちゃんの仕事復帰で揉めたとき、ちょっと良いアドバイスしたん誰やったっけ？」
したり顔でこっちを見られて、そのねっとりとした視線に思わず怯む。
「なっ…なんなの。」
「あの時の貸し、まだ返ってきてないなぁ〜と思って(笑)」
はぁ？！
「今それ言う？！それとこれとは…！」
「違わない違わない。」
手を振られて、その勝手な言いぐさにちょっとむっとする。
「なんか腹立つわ〜…。」
「ゆづ君、世の中はギブアンドテイクなのだよ？」
……。
今度は手のひらを上に向けて差し出してくる。
あーもうっ！
「わかった！出ればいいんでしょ。出れば！」
「さすがゆづ！話がわかる〜。」
ノブ君の目がキラーンと光った…ように見えたのは気のせいか。
ちくしよう…。
これで一切貸し借りなしだから！
俺は、もう二度とノブ君に相談事を持ちかけるのはやめようと誓った。
後日、ノブ君との対談が連盟側から正式に仕事として依頼がきて、俺は不本意ながらも東京のスタジオに来ていた。
憂鬱だ…。
今すごく憂鬱だ。
楽屋でスーツを着てネクタイをしめながら、今朝Aに言われたことを思い出す。
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鹿(プロフ) - みなみさん» うわ〜ありがとうございます！今更新したので、よろしくお願いします＾＾スケートのシーンが難しくてなかなか書けませんが（笑）とってもうれしいコメントありがとうございました！ (2016年3月8日 16時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - このお話大好きです。更新されるとテンション上がります(^^) スケート教室の羽生先生、現実でも見てみたいです！生徒になりたい！！スケートに関係ない質問、いっぱいしたい！（笑） (2016年3月7日 23時) (レス) id: 334f0f497e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 梶さん» ありがとうございます！初めてのコメントめっちゃうれしいです。こんな私の妄想にお付き合いくださる方々は、一体どんな方なのだろうと日々思っていましたが、言葉をいただけでちょっと安心しました（笑）これからも読みに来てくださいね〜^^ (2016年3月4日 15時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - とてもいい作品だと思います！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月4日 13時) (レス) id: a3333499d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2016年2月20日 9時
