【ホテルにて】7 ★ ページ37
「あー…あの時は、その、ごめんな。」
もし会えたら謝ろうと思っていたので、まずは謝罪した。
「何がよ(笑) 最終的に別れようって言ったのは私だし。」
いや、元々の原因はやっぱり俺だ。
ささいな事でカッとなって、麗香を傷つけた。
「それに、どこへも連れて行ってあげなかったし…。」
「…それは仕方ないんじゃない？結弦は有名人だから。」
割り切ったように言われて、やっぱり我慢していたんだなって思う。
麗香、信じられないだろうけど、今はその俺を連れ回すやつが一人だけいるんだよ。
「今日、現場で会ってびっくりしたわ。」
「…伏せてたからね、私の名前。」
そうなのかよ。
「てか知ってたら断った。何、俺に会いたかったの？」
冗談ぽく言ったら…。
「…会いたかった。」
「え。」
意外な言葉が返ってきて戸惑う。
これは…？
「結弦、私この一年半、結弦のことが忘れられなかった。」
麗香の表情が完全に変わった。
「それってどういう…。」
「…よりを戻したいの。」
…まじか。
まさかこれを言うために俺の部屋へ来たの？
だめだ、今の俺にはそれに応えることは出来ない。
Aと出会う前なら、その可能性はあったかもしれないけど、俺の中にもう麗香の居場所はない。
…ちゃんと断らなきゃ。
「それは…困るかな。」
俺の中ではもう過去だ。
それに今更そんな事言われても、じゃあ何故あの時すぐに連絡くれなかったの？って思う。
「…もう新しい彼女がいるの？」
目線を落とした麗香が、コーヒーを飲んだ。
「いないけど、…気になってる子は、いる。」
妹みたいな、微妙な関係の子が。
「…そう。」
「麗香には本当に悪いことしたなって思ってる。俺に縛り付けて、楽しい思い出作ってやれなかった。」
Aと出会ってなかったら永遠に気付かなかったこと。
「私はそれでも良かったのに。」
「だめだよ。そんなんじゃ、付き合ってるうちに入らない。やっぱ一緒にいて楽しくなきゃ。」
麗香はペットやマスコットじゃない。
「…大人になったね、結弦。」
「そんなことない。」
全部、Aが教えてくれたことだから。
「最後に…一度だけキスしていい？」
友達として。と、麗香に言われた。
俺は少し時間をおいて答える。
「…だめ、友達のキスなんてないから。」
自分で言ってておかしくなった。じゃあAにしたキスって何だよ。
「結弦変わったよね、なんだかすごく遠い存在になった気がする。」
麗香が少し笑って言う。
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鹿(プロフ) - みちさん» 一日ちょっとで書いたわりに、楽しんでもらえてよかったです！追い込まれた方が楽しく書けるのかな。＾＾ 次回は4でお会いしましょうね！ (2016年10月23日 22時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» どうしても今日アップしたくてがんばって書きました！悩みまくるゆづが書きたくて…。惑星チョコよかったら見てみてください。すごいきれいなので！＾＾ (2016年10月23日 22時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - 今回の酔っぱらいゆづ、焦るゆづ、とっても楽しかった〜。 主人公ちゃんはあんなに迫られてどうだったんでしょうかね〜。続きが楽しみです。 (2016年10月23日 20時) (レス) id: e8907b1922 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 夜中の更新ありがとうございます♪いや〜、酔った勢いで…のゆづや、翌朝悩みまくるゆづ、最高！思わず抱きついちゃったのも主人公ちゃんにはお酒のせいってことになってるし。まだ彼女は気づいてないですよね。よしよし。 (2016年10月23日 9時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みちさん» そうですね！その辺が書きたくて4からは進展しそうです＾＾ 書けるだけ長く書きたいので、また幸せな二人になるかなあ〜 (2016年10月22日 15時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2016年10月9日 7時
