【一花】1 ページ10
────10ヶ月後────
「じゃあいってきます。」
そう言って大きな荷物を持って出かけようとしているA。
まだ子供を生んで2ヶ月ちょっとなのに、もう仕事復帰。
とは言っても、今日はボランティアみたいなものだけど。
「ほんとに身体大丈夫?早くない?」
玄関先で子供を抱っこしている俺に、Aがさらに話しかてくける。
「大丈夫!監督のチームの決勝戦なんだよ?これ撮らないでどうするの。」
俺達が子供の頃入っていた地元の野球チーム。
今年は県のリーグ戦で勝ち進むことができて、なんと初の決勝進出。
俺もAも自分の事のように嬉しい!
その撮影に、Aは先週からちょう張り切っている。
「俺も見に行きたいけど、一花を連れて行けないし…。」
そう、11月に生まれた俺達の子供は女の子だった。
名前は一花(いちか)。
一にはもちろん優勝の意味を込めて、花のように美しい女性になって欲しいという願いのもとに俺がつけた。
「夕方までには帰るから。一花、パパとお留守番よろしくね〜。」
Aがほっぺをつつくと、一花が口をもぐもぐさせている。
「そろそろミルクだっけ。」
「うん。泣いてからでいいかな。じゃあいってきます!」
「いってらっしゃい。」
ドアがバタンと閉まって、一瞬外と繋がってたのが遮断される。
しんと静まり返る我が家。
「一花、ママ行っちゃったぞ?」
来た廊下を戻りながら話しかける。
まだ返事はないけど、気にすることじゃない。
ひとまずベビーベッドに寝かせて、その場を離れずにじっと顔を見る。
「…かわい。」
時々手を咥えてじたばたするだけでもかわいくて、つい顔がほころぶ。
さて、これからどうしよっか。
「とりあえずミルクの準備だけしとこ。」
泣いてからだと焦る。
俺はキッチンへ向かった。
お湯を沸かしてキューブのミルクをほ乳瓶に入れる。
もう何度も作ってるから手慣れたものだ。
人肌に冷ました所でベッドから泣き声が聞こえた。
「完璧じゃん。」
俺はミルクを持って一花の元へ急いだ。
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鹿(プロフ) - ゆめもちさん» 楽しんでいただけましたか?^^私は小さいころ、マクドナルドのドナルドが怖くてお店に入れませんでした。なので食べたのもずっと遅かったなあ〜。ピエロ系が苦手で・・・。でも熊って怖いですよね?? (2017年1月12日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みちさん» そういっていただけると嬉しいです^^のんびり更新しますね〜。たまに、どうなったの?って言われるとやる気でちゃうっていうか・・・。でもラブラブしかないです^^ここは。 (2017年1月12日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめもち - ありがとうごさいました!今回もたくさん笑ってます。(笑)一花ちゃんまさかの動物が嫌いだと・・・。でも、私は小さい頃ディズニーのキャラが動くのが怖くて泣いていたので、ちょっと気持ち分かるかも。(笑) (2017年1月11日 18時) (レス) id: 7f41978512 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - 終わりの時を逃すだなんて、終わらなくていいじゃないですか、掛け持ちで大変だと思いますが、忘れた頃に更新でも全然嬉しいと言うかラブラブな家族をたまに読むのも良いもんです。 (2017年1月11日 17時) (レス) id: e8907b1922 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 熊は凶暴です。なんでプーさんみたいにかわいいキャラが生まれたのでしょうか^^;軽々と子供を抱っこするゆづに萌え…。私は関西のお友達の気持ちがよくわかります^^ゆづにはぜひ東北弁を! (2017年1月11日 16時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2016年9月10日 8時