検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:194,618 hit

【一花】4 ページ13

今の段階で何回も跳ぶのはケガに繋がるので、最後に一緒に跳んでみることにした。

「助走からー…1、2ジャンプ!」

シュッと踏み切って三回半回って降りる。
カーンといい音がリンクに響いた。

「で、出来た!」

「やったわね!舞。」

奈々美先生とハイタッチ。

「その感じを忘れないで?なるべく軸を細く保つと、もっと加点つくよ。」

この子なかなか筋が良い。
ちゃんと教えてあげたら、本当にオリンピックも夢じゃないかも。
そんな事を考えながらまた奈々美先生の元へ戻る。

「ゆづ、ありがとう。私より教えるの上手なんじゃない?(笑)」

「いやいや、経験値が高いだけですよ(笑)」

練習だけは嫌というほどしてきたし。
そんな話をしていたら、奈々美先生から思いがけない言葉が出た。

「ゆづ、舞のコーチやらない?」

「え!」

コーチ!…俺が?!

「もちろんメインは私が担当するわ。時々でいいの。サブコーチとして教えてやってくれないかな?」

……。
まじか〜うーん…。
まぁ時々なら…でもコーチなんて責任重大じゃん。

「私からもお願いします!オリンピックで金メダルを取りたいんです!」

そう言って頭を下げる舞ちゃん。…目が本気だ。

「そうだなぁ、じゃあ月2、3回くらいなら…。」

普段貸し切って練習しない日を選べばなんとかなるかな〜…。

「ありがとう。ゆづが来てくれたら周りの生徒も感化されてやる気出ると思うの。」

「だといいですけど(笑)」

そんなん言われたら照れるわ。

じゃあ帰ろうかな、と思って振り返ると…。

「羽生選手!僕らにもスケート教えて下さい!」

げ!何この人だかり!
さっきまでこんなに人いた?!

「あ、あ〜…ちょっと僕時間ないんだよね?」

今日は子守だから!なんてこの子達に説明しても無理か。

お願いします!と口々に言われてしまった…。
時計をちらっと見る。
仕方ない、あと30分くらいなら大丈夫かな。
それ以上はアウトだ。

「…じゃあ、順番にね。」

飛び上がって喜ぶ子ども達。
こんな顔を見せられたら、帰るなんて言えねーわ。
俺は一人ずつスケートを見てやった。




「そうそう、しっかり腰を落としてひざ使って!ひざはちょう大事だからね!」

まだジャンプが跳べない子にはとことんスケーティングを教える。
基礎は大事なんだぞ〜って。身体が自然と動くまでやる。
まぁ…ドSと言われたらそうだわ、俺(笑)

意外とスケート教えるのも楽しいな、と思いだした頃、不意に猫みたいな鳴き声が聞こえた。

【一花】5→←【一花】3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (102 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
166人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鹿(プロフ) - ゆめもちさん» 楽しんでいただけましたか?^^私は小さいころ、マクドナルドのドナルドが怖くてお店に入れませんでした。なので食べたのもずっと遅かったなあ〜。ピエロ系が苦手で・・・。でも熊って怖いですよね?? (2017年1月12日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みちさん» そういっていただけると嬉しいです^^のんびり更新しますね〜。たまに、どうなったの?って言われるとやる気でちゃうっていうか・・・。でもラブラブしかないです^^ここは。 (2017年1月12日 17時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめもち - ありがとうごさいました!今回もたくさん笑ってます。(笑)一花ちゃんまさかの動物が嫌いだと・・・。でも、私は小さい頃ディズニーのキャラが動くのが怖くて泣いていたので、ちょっと気持ち分かるかも。(笑) (2017年1月11日 18時) (レス) id: 7f41978512 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - 終わりの時を逃すだなんて、終わらなくていいじゃないですか、掛け持ちで大変だと思いますが、忘れた頃に更新でも全然嬉しいと言うかラブラブな家族をたまに読むのも良いもんです。 (2017年1月11日 17時) (レス) id: e8907b1922 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 熊は凶暴です。なんでプーさんみたいにかわいいキャラが生まれたのでしょうか^^;軽々と子供を抱っこするゆづに萌え…。私は関西のお友達の気持ちがよくわかります^^ゆづにはぜひ東北弁を! (2017年1月11日 16時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鹿 | 作成日時:2016年9月10日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。