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2人でいつも通り会話をしながら、お酒を飲んで目の前の食べ物を摘んで、だいぶ時間も過ぎてきたころ。近付いていた2人の距離がさらに縮まって、腰に手が回る。
『ふふ、どうしたの』
「こっち向いて？A」
『んー？………んっ、』
甘い雰囲気になっているのは、分かりつつも彼の方へ顔を向ければ、頬に手のひらが滑って近付いてくる彼を受け入れる。
触れては離れて、を繰り返して、一瞬唇を開けばその隙に舌が入ってきて絡められる。口から出る吐息が、自分でも聞こえて、雰囲気に持っていかれそうで。
いつの間にか持ち上げられて、彼の膝の上に向かい合わせになっていて。
『……んっ、ふ、ぁ、』
「……んっ、は、ふふかわい、」
『……っ、』
「もう、とろんってしてる」
優しい顔で、私の頬を撫でながら、そんなことを言うものだから、熱くなった体はさらに熱くなっているように感じて。
「ねえ、したい」
『……ん、』
「してよかったら、Aからちゅーして」
『へ、』
「無理やりはしたくないじゃん？」
そう言って口角を上げて笑う彼は、確実に意地悪する時の表情で。分かってるくせに、ずるい、なんて思うけれど、これは私からキスするまで始まらないことも、知っている。
『…………意地悪』
「ふふ、ほーら」
そう自分の唇を指差す良平さんの肩に手を置いて、自分から唇を近付ける。唇を合わせた瞬間、後頭部に手が回って、先ほどのキスとは比べ物にならないくらい、艶やかに触れ合う。
『んんっぅ、ふぁっ、』
「今日俺お休みでゆっくりしてたからさ、」
『んん、んぅ、？』
「いっぱい意地悪しちゃったらごめんね、(笑)」
目を見開いて彼を見た頃には、もう遅くてさらに深く口づけされてしまえば、そのまま溺れるだけ。
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作者名：シカク | 作成日時：2021年12月1日 20時
