Keep - りある (ページ9)

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緑side

家と濵田家御屋敷との中間地点を過ぎたあたりの人気のない所で狐面をつける。

御屋敷の前の市場(居酒屋？)では毎度まいど声をかけられる。

(｢青砥様～！良い酒が入りましたよ！！｣)

(｢こっちも寄ってって～青砥さん！｣)

さすがに夜も深くなっていってしまうからいつもより足早に市場を抜ける。

濵田御屋敷の築地塀にはお役人が4人もいるから身分証明と用件を伝えて中に入る。

／｢おっ、青砥｣

緑｢はまちゃん！.....御当主様｣

紫｢ええのに、はまちゃんで笑笑｣

なんか学校でも同じこと聞いたな～と思いつつ。

緑｢青砥って仕事名で呼ぶからやんか～｣

紫｢やって、役人に聞かれたらまずいやろ～？
神ちゃん＝青砥って｣

緑｢それより！ねこちゃん、脱走してたで！！｣

胸の位置で抱っこしていたねこちゃんを掲げて見せる。

紫｢そうそう！探してたんや！
やっぱ、神ちゃんとこおったんか～｣

わしゃわしゃとはまちゃんがねこちゃんを撫でる

緑｢んじゃあ、これで、、、｣

去ろうとするとはまちゃんに腕を引かれる。

緑｢へぇ？｣

紫｢しっかり聞いててな。

帝がご退位なさる。

しかも今週で、｣

あまりにショックな出来事で言葉が出ない。だってもう10年も青砥として仕えていたんだもの。

紫｢もう50年もトップで疲れたらしい。次は継承的に俺がやる。

やから神ちゃん。また、青砥として働いてくれへん？｣

青砥の仕事は、20年の契約期間か帝の入れ替わりで変わる。
その仕事を次の帝でもやり続けるのはイレギュラーなこと。

緑｢でも、、｣

紫｢神ちゃん家はもう大体の人が都にはいない。
神ちゃんしか正式な血すぎを引いてる人はおらんし、何よりも
俺が帝となるとしたら要領がいい人やないといけない。
なぁ、頼む！！｣

ここまで言われたら正直、言い返せる要素がないって言うか、、

緑｢仕事内容が変わらないのであれば、、、、ええよ。
あと、学校には通いたい。｣

ここでもし承諾を得られたらもう契約が決まってしまう、、

紫｢全然OKやで！

.....ありがとう、青砥。｣

緑｢私は、濵田崇裕様に忠臣を誓います。｣

紫｢では早速ではあるが今日から夜も出て欲しい。ちょっと資料が、、でも昨日も夜勤やったっけ？｣

緑｢構いません。ただ明日の送りだけはよろしくお願いします。｣

気づいた方もいると思うが、
私、神山は帝に召し仕える者のトップ。

つまり、青砥である。