Glass Flower～翠に咲く花～ (ページ5)

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Episode5 ページ5

黄side

どうしてもあの顔が見たくて、いや会いたくなって
気づいたらこの店に足を運んでいた。

でも。今、俺が会いたいって思っとったあいつは、
大倉の表情はどこか、消えそうなそんなもんやった。

『あ、亮ちゃんや、どうしたん』

なのにそれを一瞬で隠してふにゃりとした顔で笑うから、だからハマってしまうのかもしれへん。

「へっ？！、あー、いや」

我ながら上手くストレートに言えないのは自覚しているし、ダサいとも思う、

『ふふ。まぁ、ゆっくりしてな？』

「、お、おん」

そういえば店ん中あんま見てへんかったと思って、見回していたら、所々に花が加工された置き物がある事に気づいた

「なあ、大倉～？」

『んぅ？』

「あれ、なんて言うん？あのほら、花のやつ」

『っ、あー、Glass Flowerやで？』

「洒落たもんあるんやなぁ。気に入ってるんや？」

『なんで？』

「めっちゃあるやん」
なぜだろう、今一瞬、顔を歪めた気がするのは。

『亮ちゃん？』

「ん？」

『花は色を無くすんよ』

『綺麗に枯れることも叶わない』

『なら加工して誰かの記憶に残したいやん？』

「大倉...？」

『なーんてね？』

「へ、」

『んふ、ただ好きなだけやで…』

その後はお互いの趣味とかよくありがちな話をして
帰ったのは覚えている。

でも、あの時見た何かを思い浮かべるような大倉の表情だけが頭から離れないのは、

「好きなんかな、」