Glass Flower～翠に咲く花～ (ページ13)

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Episode12 ページ13

黄 side

後には引けへん。そう思いながら訪れた大倉の家は
シンプルで、でも店にあるGlass Flowerが部屋にもあるような、まるで大倉以外もいるかのようなそんな部屋やった。

緑『適当に座っといてぇ…』

黄「お、おん」

俺にそう声をかけお茶を入れるためにキッチンに向かった大倉を見送りながら部屋中を見渡していた

黄「クマにオレンジの花って」

緑『なに～？珍しいもんでもあったん？』

黄「っ！いや、」

ハーブティー？を入れるためかエプロン姿のままできた大倉の破壊力...ビジュアル最高やな…

緑『？』

黄「あ、その」

緑『うん？』

黄「オレンジ！オレンジ多めやなって」

緑『...ふふ、確かにそうかもしれんなぁ』

またや、そんでもって今まで以上に泣きそうな顔や

黄「なんか思い入れとかあるん？」

緑『...思い入れなぁ、』

緑『...元カレ、って言ったらどう思う？』

黄「も、元カレ？」

大倉は確かに美形やし、美人や。そんでもって可愛いのもわかるけど、けども既に元カレいたん？

緑『そ。でも、もう会えへんよ？』

緑『...死別やねん。だからハッキリと別れ切れてない』

黄「え...」

緑『...ごめんね、亮ちゃんの気持ち薄々気づいてはいたんやけど』

緑『...今の僕じゃ満足にできへんよ...』

黄「...っ、なんで、」

気づかれていたことにも驚いた。だが、こいつがたまに見せる表情の理由が衝撃的すぎて頭が処理できてないのも事実

なのに。何故か言っとった。

黄「大倉、」

緑『...ん？』

黄「3ヶ月…3ヶ月でいいから試しに俺と付き合ってくれ」

緑『だから、！満足にできへん！』

黄「えぇから！チャンス…くれへんかな...」

馬鹿で結構。玉砕でもえぇ。けど、こいつが笑える環境を作りたい。ただそれだけ。

緑『亮ちゃん？僕頑張ってみるね...？』

黄「...！」

こいつの中にはまだ元カレが大半、いや9割以上を占めている。そしてその幻影で泣いてるなら、3ヶ月で救う。それだけ。

ただ無謀で無鉄砲な俺の戦いが始まった