12時間 ページ12
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「___うわ、お母さん料理お上手ですね…美味しそう」
「なに言ってんのよ。
すき焼きなんて、ただ具材突っ込むだけじゃない」
「いや、それもそうなんですけど…」
他愛もない話をしている内に、時計はもう夕飯時の時間を指していた。
時間は、無情なくらいに、私を嘲笑うかのように刻々と過ぎていく。
なんだかいたたまれなくなって、私は時計を見るのを止めた。
__残りの人生くらい、好きに楽しませてくれたって良いじゃないか。
そんな無意味な呟きは、誰にも届かない。
まあ、届いた所でどうすることも出来ないけれど。
「_Aちゃん、悪いんだけど、六子たち起こしてきてくれない?」
「良いですけど…起きますかね。
かなりベロンベロンに酔ってましたけど」
「大丈夫よ、
あのニートたち、アルコールに弱くても分解するのだけは早いから」
「遺伝かしらねぇ…」と至極真面目な顔で呟いているお母さんに、少し笑ってしまった。
それに再度微笑まれると、何処か行き場がない。
「行ってきます」と、半ば台所から逃げ出すように、あの六子が寝ている居間へと向かった。
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こころ - あれ?なんかスマホの画質悪く無い?……………あ、私の涙だ…(/ _ ; ) (2020年4月1日 18時) (レス) id: 68bb132a93 (このIDを非表示/違反報告)
霞桜 - とても感動した!!!!!!感動した (2019年12月21日 18時) (レス) id: 02fc9432b6 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - アッちょっとだれかタオルください目から汗が止まりません(*´;ェ;`*) (2019年7月29日 2時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
しゃーちゃん - ΩÅΩ;泣きそうだった (2019年6月19日 18時) (レス) id: 6e21cc5c2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 凄い良かった! (2018年1月28日 21時) (レス) id: dfa48f9dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:尸 | 作成日時:2015年12月28日 11時