不器用な愛の形 3

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「っえ、ここって…」

中｢うん、ここ連れてきたかった｣





目の前には緑色の芝生が広がり
そっと系が花をそこにおく
"YUKIKO KOUJIYA"の文字



｢なんで…｣

中「糀谷さんが日本にも夕希子の墓立ててな。」



Aを連れてきたかったってはにかみながら言うもんだから
なんだか心のところがきゅっと掴まれたみたいに
切ない音がした






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お墓の前にしゃがみ手を合わせる系



中｢…ゆきこー。あのな、俺大切なやつが出来たんだ。多分もう俺はこいつで恋をするのは最後だと思う。お前はまだ俺を愛してくれてるか？？俺はお前を愛してた。心の底から。だけど今はこの命に変えても守りたいやつが…愛してるやつがいるんだ。お前以外のやつを愛してしまったこと怒ってるか？でもごめん。Aだけは何がなんでも譲れねえんだ｣

ふっと笑うと系は

中｢…安らかに。眠ってくれ。愛してた｣






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そっと風がふく
春の匂いがする

中｢はっ、何泣いてるんだよ｣

お前は何回泣くんだ？って微笑むから
私も挨拶しなきゃって
夕希子さんの前にゆっくりしゃがみ
手を合わせる



｢はじめまして。今系さんの彼女やってるAです。えっと…夕希子さん。私は貴方に会いたかった。沢山お話してみたかった。きっと系さんは…夕希子さんと一緒になってたのかな？｣


心がきゅっと締め付けられる



｢でも…でも、私は夕希子さんの分も、沢山沢山系さんを幸せにしたいです。一緒に幸せになりたいです。私なんかが系さんと付き合ってていいのかな？ってたまにめちゃくちゃ不安になるときもありますけど…やっぱり気持ちが勝っちゃうんですよね｣


へへっと夕希子さんに笑いかけると
風が強くぶおっと吹いた


｢…えっ｣


スローモーションみたいにゆっくりゆっくりゆっくり
時が流れる
そっと微笑む夕希子さん
瞬きを１回する頃には
もう消えていて
最初から見えるはずはない
でもなんだから心の底から嬉しくて


中｢…おい、なんでさっきより泣いてるんだよ｣

｢だって…だって〜〜〜！！！｣


このことは夕希子さんと私の秘密にしておきたいの
ありがとうございます夕希子さん
私も系と同じ。貴方が大好きです



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