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佐久間side
なかなかのハードナンバーをこなし、それぞれに水を飲んだりその場に屈んだり、歩き回ったり。
割と体力に自信がある俺は、ひと口お水を飲んだ頃には周りを見る余裕があった。
メンバーのほとんどが、暑さにTシャツをパタパタとしながら笑顔をみせるくらいになった頃、部屋の隅では、まだ涼太が膝に手をついて前屈みになって、背中や肩を大きく波打たせていた。
阿「俺いくよ。」
佐「とりあえず俺行くからいいよ、無理そうだったら呼ぶね。」
あまりみんなに囲まれるのを涼太は好まないから、いつもアイコンタクトをとり誰が行くか決める。
阿部ちゃんは落ちつかせるのが本当に上手なんだけど、過去に1度だけ涼太の呼吸にのまれて疲れちゃったことがあったから、こちらにも無理はさせられない。
佐「涼太、頑張ったね。」
舘「…ハァハァ……っ…ハァ…ハァ…」
佐「いったん座ろうか。」
涼太を床に座らせると、前に倒れそうになるから、向かい合わせで座って俺に寄りかからせる。
背中に回した手をゆっくり動かして、深呼吸させるように背中をさすっていく。
佐「大丈夫だよ。」
舘「…っ……ハァハァ…ハァ……っ…ハァ…ハァ」
佐「涼太、ちゃんと呼吸できてるからね、そんなに吸わなくても大丈夫。しっかり息吐いて。」
いつもなら数分で落ちついてくるんだけど、今日はなかなか落ち着く様子がない。
いつの間にか手も冷たくなっていて、痺れもあるのか少し震えている。
フェイスラインからぽたぽたと落ちてくる汗も止まることを知らない。
阿「だーてーさん。阿部だよ。」
佐「ありがとう。」
結局、阿部ちゃんが来てくれて、場所を変わり、涼太と目を合わせるように顔を覗き込んで手を握る阿部ちゃんに任せて、俺は涼太の隣から引き続き背中をさすった。
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作者名:詩杏 | 作成日時:2022年12月1日 15時