15分 [ N.kaito ]

10分 ページ11

休憩から戻るとさっきまでいたサラリーマンたちは

酔っ払って二軒目に移動していたらしい


パート「Aちゃん片付け追いついてないからそっち回ってくれる？」


パートさんが申し訳なさそうに指を刺した方を見ると

ビールジョッキやカクテルグラスが溜まっていた

A「分かりました！終わらせます！」


もうすぐで私は上がりの時間

出来る限り終わらせないとパートさんや店長に申し訳ない！


その気持ちが裏目に出て







パリーンッ





A「いたっ」


急いでいるあまり泡で手が滑り分厚いビールジョッキを落として割ってしまいその破片で手から血が出てしまった



タラタラと流れる血をひとまず水で洗い

絆創膏を貰おうと店長のもとへ行こうとしたとき



「は！何してんの！大丈夫？

「血やばいじゃんはやくこっち！」


ガラスが割れた音が聞こえたらしく中村くんが

様子を見に来てくれた



A「いや大丈夫ですよ！これくらい！絆創膏はれば！」

中村「いやばか？かなり深くまできってるよこれ」

休憩室にある救急箱のなかからガーゼと包帯を取り出して手当てしてくれた


A「自分でやれます！ありがとうございます」

そう言って奪い取ろうとすると

中村「いやお前不器用でしょ？どうせ 俺がやるからじっとしてて」


私よりも大きな手が優しく触れた

手当てしてくれてる最中も

「いたい？大丈夫？指動く？」

いや心配しすぎだしそんなに包帯巻かなくてもと
思ったけど

中村「よし！できた！」


その雑な包帯の巻かれている私の手と彼の笑顔で

A「あっありがとうございます」





また小さくドキッとした

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