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チラチラと、時計を気にしながら
自分のデスクワークを早く終わらせようと手を動かす。
やっと終わって、また時計を見ると
もう18時を過ぎていて
学校に残っているのは、部活動してる生徒たち。
帰る準備をして、教室を覗きに行くと
電気を付けたまま、1人で残って自習してるAさんの姿。
「Aさん」
『ナムジュン先生』
名前を呼ぶと、顔を上げて嬉しそうにするAさんに心がほわほわする。
『ごめんなさい、あんなこと書いて』
NJ「や、いいよ。雨、中々止まないし、送っていくよ」
『それを狙ってた』
くふふ、って笑う彼女。
本当に、頭が賢いというか。
職員室で、彼女が書いた文章は。
《話がしたい、待ってます》
とだけ。
傘は、口実に過ぎなかった。
NJ「自習してたの?偉いな」
『高校では、賢く生きようって思ってるから』
2人で玄関に向かっていたら、他の先生ともすれ違ったんだけど、
自習してた生徒、この雨なんで送っていきます。って言ったら「その方が安全ね!よろしくお願いしますナムジュン先生」っていい顔しかされなかった。
俺の日頃の行いがいいからね。
1本しか無い傘をさして、車まで走った。
短い距離なのに、土砂降りの雨は簡単に2人を濡らしていく。
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作者名:uri | 作成日時:2023年5月17日 0時