釣り合いたい【NJ】 (ページ30)

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お昼ごはん食べてから、いつものように屋上に向かった。

食事した後は、なんだかリラックスしないと午後から頑張れないから、なんて高校生みたいなこと言ってる自分がおかしくなってくる。

屋上へ上る階段を見上げると、どうやら一度開いたかのうように、風を受けてギィと音をたてて揺れているドア。

そのままドア開けて、フェンスのほうを見たら

体操服のままのAさんが、フェンスに制服吊り下げて、その下に体育座りしてうずくまっていた。

あれ？Aさん？と声をかけると、また驚いた顔で俺を見上げている。

俺、結構この顔好きかも。

近くまで来て、制服みると、どうやら濡れたのか、ぽたぽたと水滴が落ちてる。

なぜ、制服がここまで濡れるようなことがあったのか
どうしたのか尋ねると、Aさんはにやっと笑って

『先生、私、友達が出来ました」

って誇らしそうに言って

『しかも、女の子の』

『この制服は、その証です』

て付け足した。

俺は一瞬、何のことかわからなかったけれど

どうやら、Aさんは一対一でその子と対立したようだって理解した。

女の子特有の、こういういやがらせというものは
自分から発信できずに引き込もってしまうタイプが多い。

Aさんみたいに、真っ向からぶつかっていくタイプは、俺も教師しててはじめて出会った。

まったくこの子は、弱いのか強いのか、わからないよ。