NM ページ35
仕事を終えて、家に帰るために車を走らせていたら
ふと、道路の端っこに、見慣れた制服の男女がいた。
それが、Aさんだったと気付くのに少し時間がかかってしまった。
相手の男は、どうやらパク・ジミンらしい。
まったく、仲がいいのはいいことだけれども
相手は男なんだから少しは警戒したらいいのに。
とか、考え出してる俺は何ポジ?
屋上のことを思い出して
柄にもなく、どうすればいいのかわからなくなっていた。
自分から接近しといてなんだけれども
あの目は、からかうような目ではなくて
本気で、真正面からぶつかってきてくれていたのに。
俺は、冗談にすることで、目をそむてしまった。
屋上から走り去っていくAさんの背中を
振り返って見ることも無く、
カシャンとフェンスに背中を預けると
あんまり吸わないタバコを1つ取って
カチッと火をつけた。
教師として、どうすべきか。
いや、男として。
1人の、人間として。
白い煙を吐き出して、空を見上げると、
随分と雲が下に見えた。
NJ「明日は、雨なのかな」
いや、そんなことはどうでもいいんだけど
何か独り言を口にしていることで
少しだけ、Aさんに対しての意識が
他に移るような気がしている。
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作者名:uri | 作成日時:2023年5月17日 0時