釣り合いたい【NJ】 (ページ14)

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我ながら、勇気を振り絞ったと思った。

教室から飛び出て、誰もいない廊下を段々と小走りになりながら駆け抜けて。

どうしよう、どうしよう。

明日から私はどう接すればいいのだ。って
自分から言い出しといてなんだけど。

夕暮れ、家に帰る途中の公園に差し掛かった時

公園のベンチに人が数名集まってるのが見えた。

『っ……』

目に入ったのは、見覚えのある顔たち。

見て見ぬふりをしたかった。
でも、この公園を通らないと家に帰れない。

折角いい気分で、気持ちが高揚していたのに。

「あ、Aじゃん。居た」

「だから言ったろ？ここに居れば見かけるかもって」

ベンチに屯しているのは、３～４人の女子。
皆、髪色を派手にして、制服を着崩して。

もう、コイツらとは縁を切るつもりだったのに。

『なんで、どうしたの』

「なんで？私ら友達じゃーん」

中学生の時に、同じようにつるんでた
私の「友達」であった同級生たち。

『あんたらなんか、友達じゃないよ。友達はお互いのこと殴ったりしないじゃん』

「は？あんたがグループ抜けるとか言い出したのが悪いんじゃん」

「何その制服、その頭。あんた、そんなん似合わないって」

1人の髪をポニーテールにしたやつが、ベンチから立ち上がってガムを噛みながら私の方へと歩いてくる。

だめだ、怯むなA。

あの時とはちがう、もう、コイツらから逃げちゃだめ。

『ぃっ……！！！』

ガッ！！と急に掴まれた髪の毛。

きゃははは！と甲高い笑い声が聞こえる。

『は、なせ……よっ！！』

そいつの腕を掴んで、どうにか痛みを最小限にすることしかできない。

下を向いて、唇を噛み締めて、それに耐えていると

「その手、離せよ」

低い、男の人の声がした。