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ピンポーンとインターホンが鳴って、布団から顔だけ出した。
俺の部屋のインターホンを鳴らすのなんて決まってる。
テヒョイヒョンかユンギヒョンか、それまたジニヒョンか。
だから、画面なんて確認せずにガチャりとドアを開けてしまった。
いつものみんなの身長に顔を向けるけど、誰もいなくて、代わりに見えた小さい頭。
JK「え?A…?」
『テヒョンとユンギがここだって』
にこりと笑ったAは、おじゃましまーす!なんて言って小さい体で、飛ぶように歩く細い足で、俺の脇をすり抜けて部屋に入っていった。
JK「ちょっ…、まっ、おい!」
この俺が、脇をすり抜けられるなんて。
なんか凄い屈辱だったけど、Aはもうすでにリビングの方まで足を進めていて、気がつけばソファに座ってポンポンと隣の席を叩いた。
え?俺の部屋なんですけど?
『ジョングク、ごめんね』
しぶしぶ、Aの隣に腰を下ろした俺の耳に、透き通った声が聞こえてきた。
JK「……なんでお前が謝んの?別に悪いことしてないじゃん」
口から溢れ出るのは、素直じゃない言葉。
でもそうだ、実際にAは何も悪くない。
ただ、疑問を俺たちにぶつけてるだけでここに居るか居ないかなんて、Aには選ぶ権利があるんだから。
『私ね、ジミンの所に行きたいなんて思ってないよ?』
『皆は私のヒーローだよ。
ジョングクが辛い思いをしたのに、無神経な事聞いてごめんね。
皆が居てもいいって言ってくれるなら、私は私を助けてくれたみんなに恩返ししたいから、みんなの望むことをしてあげたい』
黙って話聞いてた俺の頬に、何か暖かいものが流れてきて。
それが涙だなんて、受け入れたくなかった。
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作者名:uri | 作成日時:2023年12月22日 8時