女子力男子【HS】 (ページ26)

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HS「さ、家はどっち？」

『改札出て、右です』

電車降りて、スムーズに改札を出る。

もう、なんで送ってくれるんですかとか聞かないまま、スマートに答えてしまっている私。

おい、相手はチーフだぞ。

『...ホソクさん、さっきは黙ってしまってすいませんでした』

HS「ん？いーのいーの。怖かったでしょ？」

『っん、ぐ』

その言葉にまた喉がつっかえて。

少し先を歩くホソクさんの背中見ながらぐすぐす泣いた。

電車の中で抑えてた涙がぶわって溢れて
ああ、私強めにイケてると思ったのに、怖かったんだ。
ってそこで自覚することができた。

ホソクさんは、静かに私と歩調を合わせてくれて、なんなら頭ぽんぽんしてくれて。

それがすごく心地よく感じた。

私のアパートの前まで、ナチュラルに手を繋いでて
あーーー、だめだ私。多分さ、好きだ。って

この人、オネエできっと恋愛は私なんか対象じゃないのに

そんなことされたら期待してしまうし、なんなら彼氏のフリしてくれたとかその場だけとはいえ、男前でしかないじゃん。