松田のことなんて (ページ6)

今日:10 hit、昨日:22 hit、合計:42,158 hit

6 ページ6

＊

松田は夏休み初日から積極的に遊びに誘ってきた

あまりにもしつこくて折れたのは5日目のこと。

白のブラウスにウエストまである薄い色のジーンズで髪は巻いた

松「え、染めてる」

おはようでもお待たせでもなく、一言目はそれだった

「初日に染めた」

元「えー、傷むよ」

なんて勝手に私の髪を触ってきた

元「でも似合ってる」

「…どうも」

松田って完全犬系男子だ

何気に男の子と2人きりで遊ぶのは久しぶりだった

松「緊張してんの？」

いつもと違うって。

「警戒心くらい持つでしょ、特に松田なんだから」

松「はは、そゆとこだよ」

「何が」

松「五十嵐って面白いよな」

「松田に言われたくない」

漢字の読み書きもできなくて九九もできない松田の方がよっぽど面白い

ついた水族館は最近できたばかりの場所で人が多かった

色んな海の生物を見て最終的に目に止まったのは大きな白イルカだった

松「そいつ好きなの？」

「うん、なんか可愛い」

私が水槽の前に立てばイルカも目の前に来る

人懐っこいイルカは昔から好きだ

「なんか松田みたい笑」

知り合いでもなかったのにいきなり懐いてくるとこ、そっくり

松「俺可愛い？」

「そーゆー意味じゃない」

松「えーなにそれ」

結局可愛さに負けてしまって白イルカのストラップを購入した

「…通おうかな」

松「そのときは俺も〜」

「いや大丈夫」

＿