ぼくっ、りょへ！

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深｢お前さぁ｣
貴｢ん？｣


あの後1時間くらいで帰った照。
今は俺と亮平とAだけ

深｢いつまで周りに甥っ子って言うの？｣
貴｢…｣
深｢もう、戸籍上お前の子だろ｣
貴｢…まだ、なんか、ね｣
深｢お前、十分母さんやってんじゃん｣
貴｢亮平がまだ、受け入れられないかなって｣

そう言うAは暗い顔。

深｢そりゃ、100%血が繋がってんのは
お前の姉貴だろうけど、
お前が母さんと言ってもおかしくないだろ｣
貴｢…いいのかな｣
深｢いきなりとは言わんけど
少しずつ環境変えてったらいいじゃん｣


こいつの姉貴夫婦が不妊治療の末、
やっとの思いで身篭った亮平を
親に預けてから迎えに行く途中で
不慮の事故、帰らぬ人となった。

それは、亮平が生まれて1年ちょっとの時。

今も小さいけど、1歳なんてほとんど記憶がない
そんな亮平をAが引き取った。

Aの親に頼ることは可能だったけど
歳だから、と説得して、戸籍も変えて、
正式にAの子どもになった亮平


俺はあんまり育児の知識はないけど
Aのメンタル面を支えられたらなって。

葬式後のAはしばらく覇気がなくて
倒れんじゃないかと心配になった

だから、何回も家に押しかけたっけ。

ちゃんとAが飯食べてんのか、
亮平も健康的に育ってんのか確認した。


貴｢あたし、お母さん、やれてるのかな｣
深｢やれてるって。自信持てよ｣
貴｢まだ、だよ｣
亮｢Aちゃ？いたいいたい？｣
深｢ふはっ、Aいたいいたいだって。
なでなでしてやって？｣

亮平は暗い顔したAを見て
頭をなでなでする。


貴｢わ、｣
亮｢いたいいたい？｣
貴｢…ううん、亮平のおかげで治ったよ｣
亮｢ほんとぉ？｣
深｢亮平、Aって亮平にとってなーに？｣




ちょっと踏み込んだ質問をしてみる。
これがどういう方向に向くのか…

いい方向にいけばいいけど



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