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A「私の話は...
やっぱ今日は辞めとくわ..
もうこんな時間やし、帰らな。
お母さん、心配する。」
Aは携帯で時間を確認し、そしてベンチから立ち上がった。
裕「おい。なんやねん、話って。
気になるやろ！」
立ち上がったAの左手を思わず握る。
華奢なAの手...
思わず握ったその手を、そのまま強く握りしめ、そしてAの目を見つめた。
もう、これ以上遠くにはいかんといてくれ..
何を僕に言おうってしたんや。
何を考えてるんや？
A「...裕太の手、ごつごつしてる。大きくてあったかいね...」
しばらくの沈黙のあと、Aは一言こう呟いた。
A「今日はもう帰るんわ。話はまたね...
あっ！はい、これ。お母さんの差し入れ。食べてあげてね。」
Aは僕の手を離して、紙袋を僕に手渡す。
A「じゃあね、裕太。大会、見に行くから。」
少し切なそうに笑顔を浮かべ僕にそう言うと、ベンチから立ち上がった僕を残してAはその場を離れ、自転車に乗って帰っていってしまった...
僕は再びベンチに腰掛けた。
僕に残されたのはさっきまで握っていた温かなAの手の感覚と、そして言いようのない不安..
Aの切なそうな笑顔が頭から離れなかった...
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作成日時：2018年9月1日 15時
