僕の初恋 (中務裕太) (ページ24)

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休み時間。

裕「なぁ、A」

後ろからAを呼ぶと、Aは心なしかビクッとした様子で振り向いた。

A「な、なに？裕太。

あっ！お、おはよう。今朝はごめんな、先行って。」

なんか妙にテンションを上げた感じの空元気な様子でAは言った。

裕「いや、それはええねんけど...

昨日のことなんやけど、昨日はg..『気にしてへんよ！！』

昨日のことを謝ろうとしたタイミングでAが僕の言葉をかき消すように言った。

A「まったく気にしてへんし、裕太も気にしんといてな！

ごめん、ちょっと菜月らんとこ行ってくる。

それから、これから登校も下校も菜月らと一緒に行くことにするわ。

よう考えたら、裕太、ダンスで疲れてゆっくり寝てたい日もあるやろし、それに帰りかて私を待っててダンス、ギリギリになることもあるやろ？

今まで、私の勝手で振り回してごめんな..」

Aはそう言い残し、橘達、女子が喋ってる場所に走っていった。

全く予想しなかったAの言葉に残された僕は唖然とした。

なんでそんなこと言うんや..

なんでいきなり...

僕にとってAとの登下校はかけがえのない大切な時間やのに、Aにとっては違うかったんか..

所詮、幼なじみをほっとけへんかっただけなんか..

めんどくさいなぁ～
お節介焼きやなぃ～

って口では言うてても、ほんまは嬉しかったんやで。

「裕太、もう、はよう行くで！」
ってぷりぷり怒るA

「裕太、きいてー！」
って僕に笑顔を向けるA

黙って考え事をしてるA

すべてがいとおしくて.....

僕に楽しい高校生活過ごして欲しい言うてたやん...

Aがおらな、意味ないんやで。