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放課後。
裕「帰らへんのか?」
A「うん...か、帰るよ」
......
2人、黙ったまま並んで歩く。
なんやねん。
いつもは、うるさいくらい喋ってんのに。
普段の登下校時、Aはほんまによう喋る。
その日あった楽しかったことや、
橘ら、Aの連れの話。
Aの好きななんやらいう芸能人や、ドラマの話。
流行りの洋服や
インスタ映えするスイーツ、
まるで子供のように、
楽しそうに、
きらきらした笑顔で話す。
僕は聞き役で、
楽しそうに話すAの話を横できく。
僕が話すんはダンスのことくらいで、
それもAが聞いてきたときだけや。
僕は隣で
「へ〜」「そうなんや」
って言葉少なに、こたえてるだけなんやけど、
Aは特に気にすることもなく喋る。
たまに、僕がこたえるのを忘れて黙ってると
「もう、裕太、聞いてる!?」
ってぷりぷりしてるけど。笑
でも、黙っとったって、Aの話はちゃんと聞いてる。
一生懸命話すAの話を隣で聞くこの時間は僕にとって大切な時間なんや。
なんて、Aは知らんやろうけどな。
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作成日時:2018年9月1日 15時