恋なんて知らなかった (ページ43)

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story 23 ページ43

貴「有馬！戻ったよ」
有「おかえり2人とも☆何か情報はつかめたかい？」
士「二体の婆娑羅を確認しました」
有「...二体？」
貴「一体とは戦ったよ。逃げられたけど」
有「もう一体は？」
貴「私の友達」
有「友達...？婆娑羅と？」

有馬の顔が急に険しくなる。目をぐっと細めて考え込んでいる。

士「婆娑羅の方も危害を加える様子はありませんでした」
有「ふぅん...」

尚も納得いかない顔をしている。やっぱり婆娑羅と人間は相容れないんだな...

貴「後ね、もう二体いるらしいよ？」
有「まだいるの？」
貴「見てないけどね」
有「そう。2人ともお疲れ様。今日は休みたまえ」
貴「おやすみぃ」
士「失礼します」

有馬は浮かない顔をしていた。それだけ婆娑羅と友達だということが気に入らないのだろう。

士「A」
貴「なぁに？」
士「あの婆娑羅は...いつか祓われる。今のうちに縁を切っておかなくていいのか？」
貴「祓われないよ」
士「...え？」
貴「珠洲は私が守るから。祓わせないよ」

珠洲は私の心を救ってくれた。そんな大事な友達を祓わせない。例え有馬が下した判断でも。

士「今は...まだ...か」
貴「士門おやすみ。私は寝るよ」
士「あぁ。じゃぁな」

部屋に戻りベッドへ入る。目を閉じて

貴「珠洲は私が守る。祓わせたりなんかしない」

後に大変なことになるとも知らずにそう呟いた。
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貴「ん～...」

パチッと目を開けるともう朝だった。

貴「今日は会議あったっけな」

着替えてホールに入る。

貴「おはよー」
有「やあおはよう☆よく眠れたかい？」
貴「うん」
有「さてAも来たことだし始めよっか☆」
貴「今日の議題は？」

私が発した瞬間に士門の顔がつっと歪んだ。もうそれだけで察してしまう。

貴「ふーん。昨日のこと？」
有「そう☆婆娑羅討伐部隊の話だよっ！」
貴「神威と後二体の話でしょ」
有「......そうだね。取り敢えずは、ね」

有馬が言葉を濁す。

す「有馬様？何の話をしてはるんどすか？」
天「取り敢えずって何だ？んん？」
清「隠し事してんじゃねぇぞぉ？」
有「A...話すよ？」
貴「ダメ。まだしないで」
有「神威達の他にももう一体婆娑羅がいるんだよ」
皆「え？」
有「その婆娑羅は『有馬！！！！』...分かったよ。言わないから」

珠洲との関係は知られたくない。下手をすれば珠洲に迷惑がかかる。

有「でもバレるのは時間の問題だよ」
貴「分かってる。でも今はまだ言わないで」