恋なんて知らなかった (ページ31)

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story 18 ページ31

貴「来たよ！何の用～？」
有「士門の横へおいで☆」

士門の隣へ立つ。すると有馬が口を開いた。

有「2人に任務だよ！時間は明日。本土(こっち)で婆娑羅の目撃情報があったんだ」
貴「婆娑羅...！その婆娑羅は...！？」
有「残念だけどそこまでは分からないんだ。だから士門とその婆娑羅を偵察してきてほしいんだ」

幼い頃の記憶が蘇る。もしもあの婆娑羅だったら。少し怖い。

士「A？どうした、大丈夫か？」
貴「う、うん。大丈夫」
有「ねぇA。もしあの婆娑羅だったら...どうするの？」
貴「............私は...」
士「おいっ！大丈夫か？」
貴「え...？」

無意識に涙が流れていた。自覚すると更に後から溢れてくる。

貴「有馬っ、私は...私はっ」
有「A...無理しなくていいんだよ。辛い時は泣いていい。答えはいいから。ごめんね」
貴「...」
有「士門...頼むよ」
士「分かりました。行くぞA」
貴「うん...」

何故迷っているんだろう。私は父様と母様の仇を討つためだけに苦しい修行もして来たのに。
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部屋に戻って戦う準備をする。霊符を確認してホルダーにしまおうとしたが霊符をばらまいてしまった。

貴「あ、あれ。おかしいな...何やってんだろ、私」

霊符を拾おうと伸ばした手が小刻みに震えているのが視界に入った。

貴「なんで震えてんだろ...怖がってんの？」
貴「何してんの？ずっと会いたかった婆娑羅に会えるかもしれないんだよ。なのに何で怖いとか行きたくないって思ってるの？」

自問自答を繰り返す。考えるほど怖くなる。

士「準備できたか？」

ドアの向こうから士門が声をかけてきた。

うん、できてるよ！

士「...A？」

言ったつもりが声には出なかった。心底怖いんだ。そんなんじゃダメなのに...

貴「士門...助けて......！」
士「どうした！？入るぞ？」

ドアを開けて入ってきた士門が座り込んでいる私の隣にしゃがむ。

士「大丈夫か？」

我慢できない。士門なら受け止めてくれるはずだ。私は心の奥底に溜まったもの全てをはき出した。

貴「怖いの...小さい時から父様と母様の仇を討つためだけに死にたくなるほどの修行も1人でこなして土御門家の人たちの嫌がらせにあっても強がって傷付いてないフリしてた...全ては婆娑羅を倒すために。なのにもしあの婆娑羅だったらどうしようって怖がってるの！臆病者！私なんか死んでしまえ！」

終わり方変でごめんなさい(T ^ T)