恋なんて知らなかった (ページ28)

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貴「...？」

ためらいがちに天馬に手を重ねる。するとぐっと引き寄せられて気がつくと天馬の胸の中にいた。

貴「天馬？」
天「お前は俺のもんなんだよ」
貴「私は物じゃないよ？」
天「あぁ！ったく！こうしてもわかんねぇのかよ！どんだけお前鈍いんだよ...」
貴「え！？何でそーなんの？鈍くないと思うんだけど...」

天馬の鼓動は速い。つられて私の鼓動も速くなる。

天「お前はっ！何でこうやって男に抱きしめられても平然としてられんだよ！？」
貴「うーん...天馬だからかなぁ」
天「！！////」
貴「何か落ち着くっていうか？よく分かんない」
天「...」
貴「天馬...？」

抱きしめる力を更に強くしてきた。天馬...震えてるっ！

貴「天馬！大丈夫？震えてるよ？」
天「...伝わんねぇのか？」
貴「ん？」
天「なら...こうしてやる」

天馬がまた深いキスをしてくる。抱きしめられてるからもちろん逃げられない。酸素を求めて口を開けるとやはり天馬の舌が入り込む。

貴「ふっ、てんっ！んっ！んぅ...」

口内も脳内もぐちゃぐちゃにかき回される。また涙が浮かんできて顔が火照っている。さっきよりキスが長い。意識を手放しかけたところで天馬が唇を離した。

貴「はっ、はぁっ、はぁ、はぁ」

息切れが激しく心臓がドクドク鳴っている。足に力が入らなくなり天馬の方へ倒れた。

天「体は...あんなに正直なのにな...」

じっとしているうちに乱れていた呼吸もゆっくりと整っていった。

貴「天馬って何であんな長いキスしといて呼吸全く乱れてないの？上手すぎだよ！」
天「そうか？」
貴「三途の川が見えたよ...」
天「これでわかったか？んん？わかんねぇならもう一回や『わかんないけど遠慮しとく！早くかえろ！』...はぁ」

結局天馬が何をしたかったのかは分からなかった。でも天馬の好きな人はもしかしたら.........私なのかな？なんてね。なわけないね。

貴「帰ってもやることないなー」
天「任務はないのか？」
貴「...ないなぁ。天馬は？」
天「俺はある。夜からだがな」
貴「頑張ってね！ニコッ」
天「////あ、あぁ」

その時有馬から電話がかかってきた。

貴「？有馬からだ。何だろ？」
貴「もしもし、有馬？」
有『やぁ☆天馬とお熱いとこ悪いんだけど今すぐ僕の部屋に来て！』
貴「分かった」

電話を切る。その後は天馬と陰陽連まで手を繋いで帰った。