恋なんて知らなかった (ページ27)

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貴「(この声は天馬！？)」
男1「あ？何だてめぇは」
天「俺の女に手ぇ出すとはいい度胸だなぁ！んん！？」

いや待って待って。いつ私が天馬の女になった！？天馬の好きな人はどうした！？

男2「小っせ！しかも女みてぇ！こんな奴が君のカレシくんなの？」

私の顔を覗き込んで薄ら笑いで問いかけて来る。あーあ。小さいとか女みたいとか天馬怒るよ笑

天「俺が女みたい...ねぇ...」
男一同「ビクッ！！」

不敵に笑う天馬に男の子達は戦慄が走ったようだ。

天「さっさと失せろ。俺を怒らせたくなかったらな」
男一同「ひっ！ひぃっ！！」

ドタバタと男の子達は逃げていった。

貴「天馬！助けてくれてありがと！」
天「呑気に言ってんじゃねえ！何かされてねぇか？大丈夫か？」

さっきまでの表情と違いとても心配そうな顔をしている。そんな天馬ににこっと笑いかける。

貴「大丈夫だよ！私は何もされてないよ！」
天「...」
貴「天馬？」
天「お前無防備なんだよ」
貴「え？何で？」

問い返したが天馬は黙ったまま。俯いているので顔を見ようとすると壁に押し付けられ深いキスをされた。

貴「！？てん......ふぅっ...ま...！んっ...」

息がもたない。苦しくて口を開くと天馬の舌が入ってきた。

貴「はぁっ、ふっ、んんっ...」

天馬の舌は奥へ逃げようとする私の舌を器用に捕まえて絡ませてくる。両手で天馬の肩を押すがびくともせず、逆に両手を天馬に掴まれ、身動きが取れなくなった。天馬は空いたもう片方の手で、私の顎をくっと上げ唇を離せないようにした。

貴「んっ、んんんっ...」

本当に限界というところでやっと天馬が唇を離してくれた。

貴「ぷはっ！はぁっ、はあっ......」

私の目には一杯の涙が溜まっている。頬も真っ赤になっているだろう。

貴「急に...何っ、はあっ、するの！？」
天「だからお前は無防備なんだよ」
貴「無防備ってな...うわっ！」
天「着ろ」

天馬が自分のジャケットを私に投げてきた。なんで着なくちゃいけないんだろう？

天「俺以外には見せるな」
貴「何で？見られちゃったけど...」
天「はぁ？なわけねぇだろ」
貴「天馬って馬鹿なの～？服装の話でしょ？どうやったら隠せるの～あははっ！天馬おっかし～！」

笑っていると天馬が心底呆れた顔をした。

天「...馬鹿はお前だ」
貴「それより何で天馬ここにいるの？」
天「それは...その......」
貴「え？聞こえないよ！」
天「んなこたどうでもいいんだよ！帰るぞ」

天馬が手を差し出してきた。