恋なんて知らなかった (ページ21)

今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:44,109 hit

story 10 ページ21

懐に入った小刀を月にかざす。鈍い光を放ち鋭く尖った刃が銀色になる。

貴「死ぬときは辛かったでしょう、父様。母様。私も苦しみながら死にます。仇討ちを諦め、死のうとしている私も」

首筋に小刀を当てる。力をぐっと込めようとした瞬間後ろから怒声が聞こえた。

天「何やってんだよ！！んん！？」
貴「天馬...」

肩をいからせながらツカツカと歩いて来た天馬の目には激しい怒りが渦巻いていた。

天「お前は馬鹿か！？死んでどうする！何にもなんねぇぞ！死ぬんじゃねえよ！」
貴「天馬には関係ない...！」
天「関係あんだよ！」
貴「何が！？何も関係ないじゃっ...んっ！」

私の唇に何か触れた。それが天馬の唇だったと理解するのにそう時間はかからなかった。

貴「なっ！何すんっ...んっっ！」

天馬は何度も何度も短いキスをしてくる。

貴「ぷはぁっ！天馬っ！何すんのっ！！」
天「俺は！お前の泣き顔なんて見たくねえの！笑ってる顔が見てえんだよ！」
貴「だからってキスまでする！？しかも初めてだったのに...」
天「お前...今のでわかるだろ普通」
貴「私のファースト盗られたー！！！」
天「盗んだみてぇに言うなよ！」
貴「鈩に慰めてもらお！鈩ぁぁ！」
天「おいこら！逃げんな！」

天馬のおかげで気持ちが軽くなった。まぁ初めてのあれはないなぁと思ったけどね。皆さんもそう思いません？普通好きでもない人にキスします？←鈍感の極みwww

貴「鈩ぁ！」
鈩Σ(・□・；)
す「あ！戻ってきたで！」

さっきの出来事は忘れ鈩に抱きつく。後から天馬も地下室へ戻ってきた。

貴「鈩...そこの赤い髪の人がね...」
天「おい！い、言うんじゃねぇよ////！」
貴「私のファースト奪ったー！」
皆「...は？」
貴「好きでもないのに酷くない？あっちが初めてなのか知らないけどそういうことは好きな人とやるものだよね！？」
皆「(うわ、鈍感...)」
有「天馬？僕のAにそんなことしないでくれるかな」

グイッ

貴「あっ！」
鈩∑(ﾟДﾟ)

有馬が引っ張ったせいで鈩から離れてしまった。今私は有馬の腕の中である。

有「僕のAだよっ！僕だけだよ！そんなことしていいの！」

ギュゥッと抱きしめてくる。だからおっさん。あと身長高すぎなんだよ。

貴「冗談はなしで！早く離れて有馬！」
有「冗談じゃないんだけど...」

ちゅっ

貴「へっ！？えっ、え？ちょっと////」
有「顔赤いよ～？可愛い♡」
貴「な、何すんのっ！？」

額にキスしてきた。何考えてんの！？