過去編 7 ページ20
次に目が覚めたときは有馬の家にいた。有馬自身が引き取ると決めたそうだ。しかしわたしに対する土御門家の人々は常に蔑みの目を向けていた。
女「身寄りのない役立たず」
男「生きる価値がない」
男「有馬様に近寄るな」
女「このカスが!」
貴「...」
そんなもので傷付く訳ではないが心には穴が空いた。わたしの居場所はどこにもないんだなって。
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それでもわたしは仇討ちを誓い懸命に稽古に励んだ。もちろん1人で。有馬には何も言わない。これはわたしの戦いだ。有馬はそれを知ってか知らずか一度も顔を見せることは無かった。
度が過ぎていた稽古の結果私は強くなった。誰にも負けないぐらいに。
そんな中で有馬から遠くへの出張を任された。目的は調べ物というだけだったが風の噂にこの地方に婆娑羅がいるという情報を耳にし、会うまで探し求めた。結局あの婆娑羅ではなく、そのせいで一年ほどで帰るつもりが数年にまでかかってしまった。
性格こそ明るくなったが傷は癒えないまま。誰にも気持ちを打ち明けられずに抱え込んでいた。
過去編終了です!現在へ戻ります!
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貴「...」
ろ「おい?大丈夫か?顔真っ青だぞ」
紅「Aさん...?」
有「A!Aってば!」
貴「っ!!」
有馬に肩を激しく揺すられてやっと我に返る。定まっていなかった目の焦点がはっきりしていく。
貴「天馬...ごめん...」
その場の視線に耐えきれない。皆こっちを見ている。やめてよ、そんな目で見ないでよ!
有「ちょっ!どこいくの!?A!」
貴「やめてっ!」
バシッ!ズシャァン!
貴「うあ...」
有「うぐっ!?」
す「有馬様!有馬様!」
清「おい有馬!しっかりしやがれ、有馬!」
士「有馬さん!」
新「有馬たん!気をしっかり持つんだ!」
ごめんね有馬...もう戻れないや。
ろ「あっ!どこ行くんだよ!おい!」
紅「Aさん!」
皆の声が聞こえる。無理矢理背中で跳ね返し、外に飛び出す。無我夢中で走ると無意識にお気に入りの場所へ来ていた。
貴「...」
月明かりも綺麗。静かな場所。誰にも邪魔されない。
貴「ふえぇっ、ひぐっ、うううっ、ぐずっ、」
今なら泣ける。泣こう、思い切り。
貴「自害...」
ふと呟いた。静かな空気に吸い込まれた呟きはその気を煽る。
貴「さよなら...かな...」
未練ないけどねと自分で笑えない突っ込みを入れる。
貴「仇は...ううん、もう疲れた」
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shihi - ポワルンさん» ありがとうございますぅぅぅ!!!更新頑張ります_φ(・_・ (2017年4月9日 17時) (レス) id: 3a11f45539 (このIDを非表示/違反報告)
ポワルン - 続きがとても楽しみです!! (2017年4月9日 17時) (レス) id: 27d076c027 (このIDを非表示/違反報告)
shihi - 優(小5)さん» さて、どんな展開でしょうかっ笑笑 (2017年4月9日 13時) (レス) id: 3a11f45539 (このIDを非表示/違反報告)
優(小5)(プロフ) - これもう展開読めたわ…… (2017年4月9日 13時) (レス) id: beeccf3440 (このIDを非表示/違反報告)
shihi - 由良さん» リクにしてやろーかね笑笑 (2017年4月9日 9時) (レス) id: 3a11f45539 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shihi | 作成日時:2017年3月30日 16時