3号車 ページ4
A｢…っふぅ、終わった｣
教授の｢はい、今日はここまで｣という言葉に肩の力を抜いて机上のノートを閉じ、カバンに入れた
妃奈｢ん〜!! 疲れたぁ〜。 よしA、行こう｣
隣の妃奈は大きく伸びをし、私を見てグッと親指を立ててみせる。
その日の全講義が終了し、私達は駅前のカフェに向かった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.*･ﾟ＿＿＿_
｢お待たせ致しました〜｣
店員さんが運んできたショートケーキとザッハトルテに妃奈の目が1層輝きを増す。
妃奈は人懐っこい笑顔で律儀にお礼を言うと、途端に真剣な顔になりスマホを構えた。カメラマンかあんたは。
ちなみにショートケーキが妃奈で、ザッハトルテが私。
綺麗にチョコレートがコーティングされたケーキの表面にフォークを起て、1口分を口に運ぶ。
A｢…おいしい！｣
程よい甘さと濃厚さが口いっぱいに広がって、一瞬にして幸せで満たされる。
妃奈｢でしょ！ショートケーキも食べる？｣
妃奈が差し出したショートケーキを口に放り込む。うん、美味しい。
妃奈｢っふ、幸せそうな顔〜 …あ！そういえばA、
最近なんかいい事あった？｣
ん？？
いい事…？ いい事ー、、
A｢んーや？別に無いよ？｣
なんかあったっけな？
妃奈｢あ、そう？ いやなんか、ぼーっと考え事してる時もあるけど、なんか表情が明るかったからさー｣
A｢んー、特にそんなつもりは無いけどなぁ笑｣
うん、ほんとに無い
妃奈｢ふふ、そっかそっか！まぁでも、なんかあったら言ってよ？？そのー、なんて言うか、
友達、だしさ？｣
少し照れくさそうに妃奈は私に微笑んだ。
A ｢…うん、ありがと！｣
友達、かぁ…
友達…友達……
…なんか嬉しい、かも
ふふ、と一人で笑ってると妃奈がなんだコイツって目で見てきた。あれ？若干引いてませんこの子
妃奈｢じゃあまた明日！気をつけてねー｣
A｢ありがと。妃奈も、気をつけてね｣
ばいばーい、と手を振る妃奈を背に、駅のホームへ向かった。
時刻は19時半。いつもより少し遅め。
改札をくぐり、階段を登る。
ホームに着くと丁度電車は到着していた。
帰宅ラッシュのせいか朝よりも人が多い。
そりゃそうか。
電車に乗りこみ、ドア付近のつり革に掴まって息を吐いた。
…のも束の間、私は吐いた息を一気に飲んだ。
居た!!
沢山の乗客の中で頭一つ飛び出た高身長の、
毎日早朝の電車で見る彼の姿を見つけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆんちゃん - 初めまして！すごくこの作品好きです…(語彙力無さすぎてすみません)続きがすごく気になります！ (2020年8月26日 10時) (
レス) id: 111f4e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
Palm(プロフ) - 炙りキャッサバさん» わああ！ありがとうございます!! 作者、めっっちゃ更新サボってます(( これからちゃんと更新しますねー (2020年3月6日 1時) (レス) id: fdb5b7bf1e (このIDを非表示/違反報告)
炙りキャッサバ(プロフ) - さすがです文章力神すぎますすきです！！！！！！ (2020年2月9日 21時) (レス) id: a7002d15c8 (このIDを非表示/違反報告)
Palm(プロフ) - 梟さん» こちらこそ！コメントありがとうございます！そうですそうです！！だいっすきです！いつも供給ありがとうございます！これからも応援してますっ!! ありがとうございます！また感想ありましたらよろしくお願いします！(喜びます) (2020年2月9日 19時) (レス) id: fdb5b7bf1e (このIDを非表示/違反報告)
梟 - Palmさん» 返信ありがとうございます！もしかして、「俺の娘、嫁にさせてくれ｣のことでしょうか？違ったらすいません(これ無限に続くだろ)３号車今からみます！楽しみです！ (2020年1月29日 20時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Palm | 作成日時：2020年1月13日 23時
