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彼が苦しそうに胸を押さえて必死に息をしている
『ハァッ、ハッ、』
「ねぇ涼介!どうしたの、何が起きてるの、。」
涼介に触れようと手を伸ばした瞬間
『〜〜〜〜〜ウッ……あぁぁぁ!!!!!!』
さらに大きな声を上げてうめきだす
彼は必死に右足を押さえている
そこに視線を逸らすと、
血を流していた、しかも、膝から下の足がない
どういうことだ???ついさっきまでは確かに…
『ゆうと・・・』
「りょうすけ?」
『おおきくなったね』
「え?」
意識が混ざる、クラクラする、不思議な感じがする
暗闇に引きずり込まれる
光がない
その瞬間、何か直観的なものが働いた
目覚める
________
「っ!」
目を覚ます。白い光と天井に吸い込まれそうになる
重たい頭を横に向けると、涙を流す両親の姿が目に入る
病院だ
俺が生まれた、大きな病院
どうやら俺は事故に遭っていたらしい
_____
「ねぇおかあさん」
『なあに?』
「ぼくには、おにいちゃんかおとうとはいないの?」
『そうねぇ。ゆうと、ほんとはね。君はね、おかあさんのお腹の中でもう1人の子と一緒にいたの。でもね、その子は……おかあさんのお腹の中で天国に行ってしまったの』
そうか。涼介、君は…………
fin.
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作者名:しぐれ | 作成日時:2021年4月17日 19時