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「…っ」



どくん。
また心臓が大きく鳴るのが分かった。ただ今回のそれは先程のものとは比べ物にはならないほどの大きな感情が私を支配していた。



____恐怖。


このたった漢字二文字が私の頭を埋め尽くす。普段からは想像もつかないような低い声から出てきたのはたった一言。そしてその一言で私の身体は凍りつき、彼に押さえつけられたままの手首は抵抗することすら許されずに彼の体温をただ感じさせられていた。





「な、んで…」

「…え?」



その時、ぽつりと呟いた声が上から降ってきた。痛みの見えない綺麗な髪の隙間から、紫色の瞳が私をまっすぐに見つめていた。



「なんで、そんなこと言うん…?俺は本気やのに。本気でAのこと好きやのに、大好きやのに。俺Aのお願いやったらなんでも聞くよ、なんで、なんで…」



彼の声は次第に掠れて、やがてこの重たい空気の中に吸い込まれていくように消えていき、彼のその言葉の続きは聞くことが出来なかった。

「なんで」。そう呟いたるすくんはその綺麗な顔を歪ませていた。悲しそうで、苦しそうで、その揺らいだ瞳の先にいるのが私で。思わず目を逸らしたくなる。




どうして、私なの。


どうして、私にそこまで執着できるの。


どうして、私のためにそんなに苦しそうな表情ができるの。


どうして____




「…ごめんなさい」



また、彼に対する謝罪の言葉が震えながら出てくる。この言葉を口にしたところで何かが変わるわけではないと知っていても尚、私は言わずにはいられなかった。




「そんな謝るんやったら、さっきの言葉取り消して」


Aが一言そう言ってくれれば、全部解決するのに。そう、弱々しくも優しく、まるで言うことを聞かない幼い子を言い聞かせるような口調でるすくんはそう呟いた。

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時雨(プロフ) - おもちもちもちさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけるとこちらのモチベーションにも繋がりますのでとても嬉しいです(; ;)もう少しでまた更新できそうですのでそれまでもうしばらくお待ちいただけるとありがたいです^^* (2020年2月17日 17時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもち - やっっっっべぇめっちゃ好きです…(俺の語彙力飛んでった←)更新楽しみにしてるんで、無理のない程度に頑張ってくださいね!(?) (2020年1月17日 1時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - さくりさん» 返信遅れてすみません…!!コメントありがとうございます!!もう少ししたら更新が出来そうですので、それまでお待ちいただけるとありがたいです…!! (2019年12月5日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
さくり - 初めてコメントをさせていただきます〜、さくりです!この話自分にドストライクすぎてヤバいです…!更新待ってます!! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 11e1fd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ぽんずさん» コメント&通知登録ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです、これからも頑張りますね! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年11月8日 0時

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