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Aが、俺のことを男として見ていないことなど、とうに気づいていた。

もし意識していたら、夜に自分の部屋へ招き入れるだなんてこと、しないはずだから。


最初に行動を起こしたのは、俺だ。あの時は、ただの善意だったから。

けど、彼女への気持ちが高まるにつれ、彼女に信頼されていることを嬉しく思う反面、何とも思われていないことに落胆している自分がいた。


だから、俺を好きになると言った時、気づいてしまった。




Aは、俺に罪悪感を抱いている。




そうでなければ、そこまでする道理はないだろうし、優しい彼女のことだ、俺が苦しんでいる原因が自分にあると自覚しているからこそ、責任を感じているんだ。



そして俺は、そんな罪悪感に囚われている彼女に、気付かないふりをした。


だって、そうすれば、少しの間だけでも彼女を自分のモノにできるから。



Aは何も分かっていない。ここに来て日が浅いから仕方がないといえば仕方がないのだが、九条家は、そんな甘くない。


自分の家の名誉を守るためなら、何だってする。駒としてしか見ていないAの意志を尊重するわけが無い。


Aは黒崎と結婚する。絶対に、だ。



だから、どう足掻いたって無理なのだ、この恋は。

そんなの、分かっているんだ、分かっているから、せめて今だけは、頼むから、どうか…。


そうして俺は、自分の欲望のまま、Aを抱き寄せて、愛を囁いた。




『愛してる』そう言えば、Aを縛り付けられるから。


その言葉を口にすれば、Aが俺から離れられないことを知っているから。


もし本当にいい男なら、自分の惚れた人を自分のために離さないなんてこと、しないだろう。その人の最善を考えて、敢えて自分から離れるだろう。


だから、自分の欲望のままに動いている俺は、善人の仮面を被った悪人だ。



ごめん、ごめんA。俺は、悪い奴だから貴方を手放せない。



こんなガラクタみたいな感情、嘲笑ってくれたらどれだけ良かったか。



俺もまた、Aに罪悪感を抱いたまま、彼女の体温を肌で感じた。

消えない執着心→←◆



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時雨(プロフ) - おもちもちもちさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけるとこちらのモチベーションにも繋がりますのでとても嬉しいです(; ;)もう少しでまた更新できそうですのでそれまでもうしばらくお待ちいただけるとありがたいです^^* (2020年2月17日 17時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもち - やっっっっべぇめっちゃ好きです…(俺の語彙力飛んでった←)更新楽しみにしてるんで、無理のない程度に頑張ってくださいね!(?) (2020年1月17日 1時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - さくりさん» 返信遅れてすみません…!!コメントありがとうございます!!もう少ししたら更新が出来そうですので、それまでお待ちいただけるとありがたいです…!! (2019年12月5日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
さくり - 初めてコメントをさせていただきます〜、さくりです!この話自分にドストライクすぎてヤバいです…!更新待ってます!! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 11e1fd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ぽんずさん» コメント&通知登録ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです、これからも頑張りますね! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年11月8日 0時

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