7/8(月) 放課後 ページ43
「らだおくんもう帰るの？」
今日は幼馴染である猿山らだおの教育実習最後の日である。
最初こそ絡むことが多かったが、生徒人気を多くつけた彼とは段々と話すことも少なくなり、先生と生徒という適当な距離を保てていたと思う。
「今までお世話になりました。皆のお陰でさらに教師になりたいって思えるようになったから、これからも頑張って行きます！」
「応援してる〜！」
「来年待ってるからな！」
HR中に行われているこのサヨナラ会も生徒たちと楽しげに会話をしている様子を見て親心のようなものを感じる。
クラス全員のメッセージカード入りのカードを受け取った彼は同じように皆に1体ずつメッセージカードを書いていたようで一人一人の名前を呼んで手渡している。
流石、と言うべきなのだろうがカード内容は一人一人違うらしく、友達と見せ合いをしている人や今はまだ見ないようにしている人など様々だった。
シャオロンと遥は楽しそうに見せ合いをした後、人に見せようとしないコネシマのカードをいかに奪い取るかの話し合いをしているようだ。
「野崎A！」
「はい」
教室の中を見渡しているとついに名前が呼ばれる。教卓の前に立つ彼に近づくと少し気まづそうにしながらメッセージカードを手渡してくる。
「ほんとAがいてくれて助かったわ。……で、これもあげるわ」
皆には内緒な、と小声で言うらだおを不思議に思いながらも頷いて席に戻る。
内緒と言われれば気になってしまうのは人の性。席に戻り誰にも見られないように手で隠しながらメッセージカードを開く。
【A、お前モテモテすぎて途中から話かけにくかったわ！笑
忠犬によろしくな！】
「………は？」
「何何、Aのにはなんて書かれてたの？」
謎のメッセージに思わず声をあげてしまい、それに気づいた遥がすぐに後ろを振り向いてメッセージを聞きたがった。
【まじでありがとな〜】
見せても良いカードにはそれだけ記されていて、それを読んだはるかは一瞬だけ固まった。
「うん、流石に今回は、は？って感想になるわ…」
どうやら口に出てしまった言葉は短いメッセージを読んだことで出たのだと勘違いをしてくれたようで有難い。
忠犬が何を指しているかは理解できないが、それを痴れる日は来るのだろうか。
───
通常、高校への教育実習は2週間程度の上に5.6月に行われることが多いらしいのですがフィクションという事でご容赦ください。
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美桜(プロフ) - こねまるさん» コメントありがとうございます。好みと言っていただけてとても感激です…！更新頻度が少し落ちていますが最後まで走り抜けたいと思ってるのでこれからもよろしくお願い致します。 (2021年2月11日 10時) (
レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 全てが好みすぎてやばいです…もう何回も読み返してます…!!この作品とっても大好きです! 無理せず更新頑張ってください!!! (2021年2月11日 1時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - アルみかんさん» 100票目ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。 (2021年1月13日 20時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
アルみかん(プロフ) - 100票目押させて頂きありがとうございます！これからもついて行きます！ (2021年1月12日 23時) (レス) id: 3b84e69a91 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - なコさん» コメントありがとうございます。題の乙ゲー感に気づいていただけて嬉しいです。そして、名前のご指摘ありがとうございます。私が気づけた範囲で修正させて頂きましたのでまだありましたら教えていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜 | 作成日時：2020年12月16日 18時
