7/7(日) 夜 ページ42
「A先輩昼食べてきたんでしたっけ」
「そうなの。ショッピくんは？」
「俺もっす。食わないで来りゃ良かった」
ゲーセンで遊ぶ予定だった為に、しっかりと食べた昼食は時間が経ったとはいえ未だにお腹の中に残っている。
大食らいではないのでたこ焼きやらお好み焼きやらを食べる程のお腹は残っていない。周りから香ってくる美味しそうな匂いに手が伸びそうになるが買ったとて食べ切れるはずもない。
「ショッピくんって甘いもの平気？」
「人並みには」
「じゃあフルーツ飴食べない？」
「フルーツ飴っすか？」
お腹の隙は殆どないが、出店に来たら食べ歩きをしたいと思うのが世の常だろう。だが、空きの少ない腹の中に入るものは限られてくる。当たりを見回してみればカラフルな文字でフルーツ飴と書いている。
前世は北の方に地元があったが、そこでの定番といえば飴。全国的にりんご飴が主流だと知った時は驚いたものだ。
「俺はリンゴにしようかなA先輩は？」
「私はいちごかな」
「すんません、リンゴといちご1本ずつください」
「はいよ、2つで500円ね。好きなの選んでいいよ」
少し厳ついお兄さんは笑いながらそう言う。料金を払おうと財布に手をかけようとするが、ショッピは颯爽と取り出した500円玉をお兄さんに渡してしまう。
「払うよ」
「良いですよ。大した値段じゃないし俺から誘ったんですからこのくらいさせてください」
「ありがとショッピくん」
折角の厚意を無下にするわけにもいかない。次があったら彼の分まで出そうと心に決めて、近くの段差に2人並んで腰をおろすことにした。
「久々に食べたけど美味いっすね」
「やっぱいちご飴最強だわ〜」
これならいくらでも入りそうだ。いちご飴を齧りながらそう考えた。
その後もくじ引きをしてみたり射的をしてみたりと遊び尽くし、気づけば当たりは暗くなってきていた。
「A先輩、こっち」
「こっちってお寺の…わぁ…すごっ！」
1度スマホで時間を確認した彼に手を取られたまましばらく歩を進めるとある寺に辿り着く。
ライトアップされた寺は沢山の人だかりが出来ていたがそれを感じさせないほどに綺麗だった。
「短冊書きに行きましょ」
人集りの中心には大きな笹があり、短冊を書いて吊せるようになっていた。ペンを持ち、紙に願い事を書記して笹に括り付ける。
「なんて書いたんスか」
「内緒」
だって【この世界を生き抜く】なんて君からしたら意味がわからないだろうから。
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美桜(プロフ) - こねまるさん» コメントありがとうございます。好みと言っていただけてとても感激です…！更新頻度が少し落ちていますが最後まで走り抜けたいと思ってるのでこれからもよろしくお願い致します。 (2021年2月11日 10時) (
レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 全てが好みすぎてやばいです…もう何回も読み返してます…!!この作品とっても大好きです! 無理せず更新頑張ってください!!! (2021年2月11日 1時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - アルみかんさん» 100票目ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。 (2021年1月13日 20時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
アルみかん(プロフ) - 100票目押させて頂きありがとうございます！これからもついて行きます！ (2021年1月12日 23時) (レス) id: 3b84e69a91 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - なコさん» コメントありがとうございます。題の乙ゲー感に気づいていただけて嬉しいです。そして、名前のご指摘ありがとうございます。私が気づけた範囲で修正させて頂きましたのでまだありましたら教えていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜 | 作成日時：2020年12月16日 18時
