6/11(火) 昼 ページ29
ゾムと園田の認識の違いでとりあえず体験入部をして決めるということで落ち着いた。
「なんでこの人が居るんですか！」
背後から強い視線を感じ振り向くと、ショッピとチーノの後ろに居たリレー選手の女子生徒がいた大声を上げて睨んでいた。
「美希ちゃん、彼女は野崎さんよ。縦割りリレーの時に…」
「知ってます！もしかして入部するんですか」
「今日だけ体験入部させてもらうんだ。よろしくね」
美希ちゃんと呼ばれた彼女は渋々と言ったように頷いて直ぐにその場を離れていった。
「なんやアイツ」
「女の子には色々あるんだよ」
「よくわからんわぁ」
恐らく彼女はショッピかチーノのどちらか、もしくはゾムか。なんにせよ攻略対象の誰かが好きなのだろう。
好きな人と仲の良い女が居るのは気に食わないと言う気持ちはわかる。
「それじゃあ野崎さん、ジャージに着替えてきてくれるかしら？」
そう言われ、鞄を持って指さされた場所へと歩いた。
****
「それで入部する事にしたの？」
「楽しかったけどやっぱり帰宅部が似合ってるかなって」
「俺は入って欲しかってんけどなぁ」
昨日の出来事を昼休みに皆に話す。
手に持ったお弁当から唐揚げが遠ざかりコネシマの口に入っていった。
「やっぱ家に帰ってぐうたらする生活に慣れちゃうとね。そしてコネシマ、私の戦利品を奪うな」
「美味そうやったからつい」
「でも考えて見れば野崎ちゃんだけやもんな部活入っとらんの」
「ビックリだよね〜。皆頑張るよねぇ」
野球部のシャオロン、サッカー部のコネシマ、陸上部のゾム、テニス部の遥。皆見事に運動部、陽キャの集まりだ。
今はこんなだが、陰キャがこんなに陽キャに囲まれて食事をとるなんて思ってもいなかった。
今更ながらに乙女ゲームの登場人物、主人公のコミュ力には脱帽だ。
「でもなA、園田がまた来てくれ言うとったで」
「入る訳じゃないのに邪魔しに行くのは悪いよ」
「でも皆やる気出しとったで！な、ええやんかぁ、俺も来て欲しいねん」
「うーん、じゃあ暫くしたら行くよ」
「ホンマか！？やったぁ〜園田に言っとくわ！」
勢い余ったゾムが隣からアタックしてきた為に反動で倒れかけるも、直前で気づいたコネシマが支えてくれた。
「っと、大丈夫か？おいゾム、飯食ってんねんから突進すんなや」
「すまんすまん」
「ありがとコネシ……ってまた唐揚げ取ろうとしてるし！」
どうやら私は唐揚げのおかげで助かったみたいだわ。
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美桜(プロフ) - こねまるさん» コメントありがとうございます。好みと言っていただけてとても感激です…！更新頻度が少し落ちていますが最後まで走り抜けたいと思ってるのでこれからもよろしくお願い致します。 (2021年2月11日 10時) (
レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 全てが好みすぎてやばいです…もう何回も読み返してます…!!この作品とっても大好きです! 無理せず更新頑張ってください!!! (2021年2月11日 1時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - アルみかんさん» 100票目ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。 (2021年1月13日 20時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
アルみかん(プロフ) - 100票目押させて頂きありがとうございます！これからもついて行きます！ (2021年1月12日 23時) (レス) id: 3b84e69a91 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - なコさん» コメントありがとうございます。題の乙ゲー感に気づいていただけて嬉しいです。そして、名前のご指摘ありがとうございます。私が気づけた範囲で修正させて頂きましたのでまだありましたら教えていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜 | 作成日時：2020年12月16日 18時
