6/10(月) 放課後 ページ28
「A、迎えに来たで！」
放課後HRが終わり、コネシマ、シャオロン、遥の3人が部活に行くのを送り出して自席でぼーっとしているとジャージに着替えたゾムが迎えに来た。
「お疲れ様。遅かったね」
「センセーの話長かったんよ、あと着替えもしとったから」
「たまにあるよね、先生の無駄話で長くなること」
「そうなんよ！今日に限ってやから怒りそうになってもうた！…っと、早く行こや！」
申し訳なさそうに両手の人差し指を合わせるゾムに共感すればズイと顔を寄せれるも、驚く間もなく腕を取られる。
「ちょちょっ、行くから焦らないで！」
遠のいていく机からギリギリで鞄を掴み引き摺られながら階段を駆け降りる。腕を離されたのは玄関に辿り着いた時で、廊下は走るなと怒られていた気もするが、どの先生に怒られたかすら分からない。
「こっから先はゆっくり行こ。疲れた」
「すぐそこやん〜」
「すぐそこだから急がなくても良いでしょって言ってるの！まだ部活始まる時間じゃないでしょ？」
靴を履き替えるとまたしても腕を掴んできそうだったゾムから逃れて注意をすると少し不貞腐れたように頬を膨らませつつも歩き出した。
疲れた、と言うのもあるがゾムに腕を引かれている所をこれ以上人に見られたくないというのが本心だ。
元々人気ランキングが高い上に先日の体育際のリレーで1年生にも名が広まっただろう。何人かはいるであろう過激派のファン達に目をつけられないようにしたい所だ。
「着いたで！えっと……あ、おったおった、園田〜A連れてきたで！」
「ゾムくん、でかしたわ！」
校庭に白線で引かれた100走のスタート地点に向かってゾムが大声をあげると、1人の女子生徒が駆け寄ってきた。
「初めまして、でいいかしら？本当に来てくれるなんて嬉しい。私は2Aの園田ですよろしくね」
「野崎です。所でなんで私を？」
「だって凄く足が早かったんだもの、気になるでしょ？」
右手を差し出され、そのまま握り返しつつも遊びに来させた理由を聞くと、当たり前の事を聞くなと言うように返される。
「それで種目は何にがいいかしら。短距離？ハードルとかもやってみる？」
「ちょ、まって、待ってください。私今日見学に来ただけですよ？」
「え、でもゾムくんは…」
「ん？だって園田はAに遊びに来て欲しかったんやろ？」
人差し指を唇に当ててゾムは答える。
いや、ゾムよ、彼女はきっと
「私は陸上部に来てくれないかなって言ったの！」
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美桜(プロフ) - こねまるさん» コメントありがとうございます。好みと言っていただけてとても感激です…！更新頻度が少し落ちていますが最後まで走り抜けたいと思ってるのでこれからもよろしくお願い致します。 (2021年2月11日 10時) (
レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 全てが好みすぎてやばいです…もう何回も読み返してます…!!この作品とっても大好きです! 無理せず更新頑張ってください!!! (2021年2月11日 1時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - アルみかんさん» 100票目ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。 (2021年1月13日 20時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
アルみかん(プロフ) - 100票目押させて頂きありがとうございます！これからもついて行きます！ (2021年1月12日 23時) (レス) id: 3b84e69a91 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - なコさん» コメントありがとうございます。題の乙ゲー感に気づいていただけて嬉しいです。そして、名前のご指摘ありがとうございます。私が気づけた範囲で修正させて頂きましたのでまだありましたら教えていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜 | 作成日時：2020年12月16日 18時
