6/10(月) 昼休み ページ27
体育祭を終え、浮き足立っていた学園内が少しずつ平穏を取り戻している。
「Aー、今日の放課後暇か！？」
「どうしたの？」
昼休みが終わりに差し掛かった頃、廊下に響き渡る程大きな声で教室に駆け込んできたゾムに煩いと注意をしつつ返事をする。
被ったフードから彼の目を見る事は出来ないが、歯を見える程に上がっている口角から嫌な予感がしてしまう。
「今日な陸上部遊びに来てくれへん？」
「何で陸上部？」
「俺陸上やってんねん！んでな、リレーでAと走ったうちのクラスの女子おるやろ、ソイツがAに来て欲しいって言っててん」
ゾムの足は早いと思っていたが、彼が陸上部に所属していた事を全くもって知らなかった。
しかし、部活に遊びに来て欲しいなんてどういうことだろうか。
「遊びに行くって言うのは見学って事？」
「多分そうちゃう？わからんけど、でも俺Aが見ててくれるんやったらめっちゃ頑張るわ！」
その女子生徒が考えている事をゾムに聞くのは難しいか。
遊びに来て欲しいと言う言葉を聞いたゾムが、知り合いだから聞いてくるよ、と言ってそのまま飛び出してきたと考えて良いのかもしれない。
「A陸上部の見学行くの？」
「うーん、まあそうなるかな」
「遥ちゃんも来るか？」
「ゾムくんの活躍見てみたいけど残念な事に今日は部活があるから行けないの」
御手洗から帰ってきた遥がゾムとの会話を聞いて訪ねてくる。遥の予定が入っていなければ一緒に行って欲しかったが部活では仕方がない。
シャオロンもコネシマも恐らくは部活があるだろうし、1人で見に行く他ないだろう。その旨を彼に伝えると先程よりもさらに上がった口角で抱き着いてくる。
何とか彼を引き剥がすと予鈴の鐘が鳴った。
「じゃあ放課後迎えいくから教室で待っててな！…っと、スマン！」
大きく手を振り、来た時と同様に慌ただしく帰っていった彼は、遥同様、御手洗に行っていたコネシマ、シャオロンとぶつかった。
「何やあいつ、けったいやなぁ」
「めっちゃ笑っとったで、野崎ちゃんなんか変なことしたか？」
「してないけど。今日の放課後に陸上部の見学するって言ったらああなっちゃった」
2人が席を外していた時の彼との会話を間違えないように説明をすると、あー、と手を叩いて納得していた。
「一緒に来てくれてもいいんだよ」
興味のなさそうな2人にダメ元で聞いてみるも
「「部活あるから無理」」
そう声を揃えて断られてしまった。
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美桜(プロフ) - こねまるさん» コメントありがとうございます。好みと言っていただけてとても感激です…！更新頻度が少し落ちていますが最後まで走り抜けたいと思ってるのでこれからもよろしくお願い致します。 (2021年2月11日 10時) (
レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 全てが好みすぎてやばいです…もう何回も読み返してます…!!この作品とっても大好きです! 無理せず更新頑張ってください!!! (2021年2月11日 1時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - アルみかんさん» 100票目ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。 (2021年1月13日 20時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
アルみかん(プロフ) - 100票目押させて頂きありがとうございます！これからもついて行きます！ (2021年1月12日 23時) (レス) id: 3b84e69a91 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - なコさん» コメントありがとうございます。題の乙ゲー感に気づいていただけて嬉しいです。そして、名前のご指摘ありがとうございます。私が気づけた範囲で修正させて頂きましたのでまだありましたら教えていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜 | 作成日時：2020年12月16日 18時
