6/5(水) 体育祭6 ページ25
体育祭も気づけば終わりに近づいていた。
昼食に乱入してきた生徒会の面々と人気の無いところで弁当を囲み、鬱やコネシマ、ゾム、シャオロンを応援した午後の部。
『それでは今体育祭メインイベント、縦割り合同リレーです』
ギャラリーの歓声を浴びて入場する。リレーの際は今まで近くにいた観戦者たちはフィールド内に入ることは許されず、各々の陣営での応援になる。
男子400m、女子200mで行われるリレーは男女男の2.1.3年の順に走らなくてはならない。つまり一番最初のバントパスだ。ここで失敗してしまえば取り返すことが難しくなってしまうだろう。
この人数に注目されているという状況も相まってドキドキと胸が高鳴ってるのを感じる。
「A、緊張しすぎやで」
「ひぇ…シャオロンくんちょっと背中叩いて…」
「おう、リラックスやで！」
勢いよく振り下ろされた手に背中がジンジンと痛む。少し強すぎやしないかと文句を言いたかったが緊張が和らいだので良しとしよう。
「Aとは別チームやけど俺の事応援してな！」
「頑張れとは思うけど応援するのは流石にうちのチームだけだよ」
青色のハチマキを結んだゾムが唇を尖らせてつまらなそうな表情を浮かべる。第1走者であるコネシマとゾムは普段のおちゃらけた雰囲気とは比べ物にならないほど真剣な表情をしている。
スターターピストルが鳴り響き、一斉に走り出す。皆選出されるだけあって引けを取らない。
「すまんA、頼んだ！」
ゾムに競り負けて2位で来たコネシマからバトンを受け取る。
前を走る彼女は確か陸上の子だった気がする。何とか背中に食らいつき、横に並んだと思った時には既にシャオロンが目の前に迫っていた。
「任せろ野崎ちゃん！」
バトンをグッと押し出してシャオロンを見送る。水色が先頭に着いたのを見届けて安心してアンカーであるグルッペンの後ろに並んだ。
「良い走りだったゾ」
「ありがとうございます」
一瞬だけ手を伸ばしかけた彼だったが午前中の言葉を思い出したのか頭に触れることなくその手は下ろされた。
「お疲れ様シャオロンくん」
「何とか1位にはなったけどきっついわぁ」
1年にバトンをパスしたシャオロンが後ろに着く。
その後も競り合いは続き、何処が勝利してもおかしくない状況のままアンカーの準備が始まった。
「先輩、勝ってくださいね！」
「頼むでグルッペン！」
「勝利を掴むのはこの俺だ」
そう言い放った彼はグッと前へ足を踏み出した。
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美桜(プロフ) - こねまるさん» コメントありがとうございます。好みと言っていただけてとても感激です…！更新頻度が少し落ちていますが最後まで走り抜けたいと思ってるのでこれからもよろしくお願い致します。 (2021年2月11日 10時) (
レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 全てが好みすぎてやばいです…もう何回も読み返してます…!!この作品とっても大好きです! 無理せず更新頑張ってください!!! (2021年2月11日 1時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - アルみかんさん» 100票目ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。 (2021年1月13日 20時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
アルみかん(プロフ) - 100票目押させて頂きありがとうございます！これからもついて行きます！ (2021年1月12日 23時) (レス) id: 3b84e69a91 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - なコさん» コメントありがとうございます。題の乙ゲー感に気づいていただけて嬉しいです。そして、名前のご指摘ありがとうございます。私が気づけた範囲で修正させて頂きましたのでまだありましたら教えていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜 | 作成日時：2020年12月16日 18時
