普通がよかった。 (ページ3)

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放課後。

私は生徒会室に向かった。

これでも私は生徒会副会長をつとめている。

私の通う渋谷第二中学校は、
真面目な人が通っているとは言いづらい。

いじめとか普通にあるし。

そんな訳で、
3年間真面目に過ごしていたら
いつの間にか副会長になっていた。

でも仕事にやりがいは感じているし、
副会長になれてよかったなとは思っている。

生徒会室についてからは、ひたすら仕事を進める。

「裁縫部に今年の部費聞かなきゃなぁ､､､」

1時間ほど仕事を黙々とこなしていると、
ふとそんな声が聞こえた。

チラリと声がした方を見ると、
生徒会長が私の方をじっと見つめているのに気づく。

期待のこもった目で見られると、
断るわけにも行かず。

仕方なく生徒会長に声をかける。

『､､､私、行きましょうか？』

「助かる！さすが我らの副会長！！」

大袈裟なくらい感謝されるな、と思いながら
ため息をつき、言われた通り裁縫部の部室にむかう。

裁縫部の部長、誰だったかな。

思い出そうとするもなぜか浮かばなかったので、
仕方なく近くにいた女の子に部長は誰か尋ねる。

『すいません、部長さんをよんでもらえますか？』

「あ、分かりました、部長ー！！」

元気な子だな、と思いながら
部長さんを呼びに行く背中を見つめる。

少しの間廊下で待っていると、
とんとん、と肩を叩かれたので後ろを振り向く。

振り向いてすぐに見えたのは、
薄紫色の短い髪だった。

「なんか用？」

これが、私たちが初めて会った瞬間。