クラストロフィリア*西谷夕 ページ22
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"閉所"
其処に俺は、とてつもない性的興奮を覚えてしまう。
…同時に彼女にも疚しい気持ちを抱いている訳だから、俺は二つの鎖から縛られているのだ。
現にほら、今だって。
俺は心から大切にしているその彼女と、こうやった場面に遭遇しているのだから。
『本当、運悪いよね。体育館の倉庫に閉じ込められるなんて、漫画や小説の中だけかと思ってたのに。』
「なー…。ごめんなA、俺がお前に手伝いを頼まなければ良かったのに。」
俺がそうばつが悪そうに言うと、Aは手を横に勢いよくぶんぶんと振った。
"気にしないで"という意思表示だろう。
『西谷と一緒に居られるから、別にいいや。』
不意に、Aがぽつりと。
俺の顔を覗き込みながらそう言った。
俺はどうしていいか分からず、笑った。
そんな俺を見て、Aも笑った。
『いつ、出られるかな。』
「もう二時間くらい経ってるよな。」
Aは少し不安そうに、でも嬉しそうに。
そう本音を漏らした。
…なぁ、A?
もし俺が、"わざと閉じ込められるように仕向けた"としたら。
"もう、此所から出れない"としたら。
お前は、それでも俺を愛してくれるのか?
*
(愛を注げ)
(撒き散らせ)
▼悠仁様リクエスト
⏩閉所性愛
*
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作者名:ばたこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shigure1011
作成日時:2015年4月12日 13時