アスファイフィリア*赤葦京治 ページ20
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嗚呼、好き。
堪らなく、好き。
もっと、俺の周りにある酸素を奪って。
沢山俺に、快楽を頂戴。
*
「っ、ふ…!」
何かと思えば、彼女の左手が俺の鼻から下を塞いだ。
彼女の表情は大抵予想がつく。
大方、顔は卑屈な笑みを浮かべ歯でも見せているのだろう。
『ふ、っ…あははっ、滑稽だよ。実に滑稽、赤葦。』
反応しようと口を開こうとするが、そうはいかない。
口を塞がれているのだから。
『ねぇ、私は何時まで貴方の欲望の捌け口で居たら良いの?』
「…っ!」
彼女の声が、耳の奥にずしりと重く響く。
…確かにそうだ。
物心ついたときから、俺は彼女を自分の欲を満たすためだけに、良いように利用している。
そう思われても、仕方がない。
『私は、もう、堪えきれないよ。』
…刹那。
彼女の空いていた右手が俺の口を塞いだかと思いきや、何かハンカチの様なものを押し当てられた。
あ、あ。
頭が、ぐらぐら。
ぐるぐる。
まるで、メリーゴーランドのように。
俺は、意識を手放した。
『…馬鹿みたい。愚図、エゴイスト、リアリスト。』
『そんなだから、貴方は駄目なのよ。』
彼女は独り、堪えきれなかった笑みと欲望をさらけ出した。
『あは、っ…はははっ。』
結局、彼女も彼女。
…彼も彼。
*
(軈てその欲が)
(アダムとイヴを)
▼無感情ロボット様リクエスト
⏩低酸素愛好
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このお話は様々な見方があると思います。
更新速度が遅く、本当に申し訳ありません!
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作者名:ばたこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shigure1011
作成日時:2015年4月12日 13時