ヘマトフィリア*孤爪研磨 ページ19
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前に、聞いたことがあった。
"2秒間の内に1つの命が失われ、1つの命が生まれる"と。
人の命は其ほど脆く、其ほど強い。
矛盾した、生き物。
だから、人一人の命が其処まで大切だとは思えないんだ。
この性癖を持っている以上。
*
『孤爪、やっ…!』
「暴れないで痛くしないから。」
彼女が、潤んだ瞳で俺を見る。
恐怖しか写していない瞳で、俺を見る。
優しく諭そうとしても、どうやら逆効果らしい。
"嫌だ嫌だ"とまるで幼子の様に彼女は首を横に振るばかり。
「嫌、でしょ。…痛い思いをするのは。」
耳元で囁くようにそう言うと彼女はこくこくと頷いた。
身体は小刻みに震え、抵抗する力はゼロに等しい。
「じゃあ、大人しくその血を頂戴。」
『ひ、っ…!』
俺は、彼女の首に銀のナイフをあてがった。
身体の昂りが、抑えられずに弾けた。
「目、瞑って。」
…俺はそう言って、右腕を降り下ろした。
*
(目を閉じて)
(安らかに)
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⏩血液性愛
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更新遅くて本当に申し訳ありません!
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作者名:ばたこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shigure1011
作成日時:2015年4月12日 13時