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Sawamura Daichi ページ7

*




「はぁ…」


『…お疲れ様』




隣で大きなため息をついた彼にそう言う。

今日は中学生が部活見学に来ており、大地は見栄を張ろうとしていた後輩を抑えるのに必死だったのである。


坂ノ下に行こうと提案すると、疲れているだろうに「よし、久々に行くか!」と笑った大地。


…今日は肉まんでも奢ってあげよう。






『はい、これ奢り』


「!いいのか?」





買ったばかりで湯気の立っている肉まんを渡す。


すると肉まんを半分にちぎった大地。



『…?』



いつもならかぶりついているのに、と違和感を覚える。



「じゃあこれはAの分な」


『え、いやこれは大地が疲れてるだろうと思って…奢った、のに』


「2人で食べた方がうまいだろ?」




ちぎった半分を私に渡してにっ、と笑った大地。


…そういう所、好きだな。



お礼を伝えてそれを受け取る。




『…いただきます』


「いただきます」




2人で同時に肉まんへとかぶりつく。





「…うまい」


『っふ、ボキャブラリー少なすぎ、!』


「……馬鹿にしてるな??」






じょーだん!、と返事をして手の中にある肉まんを見る。


何度か奢ってもらったこともあるし、友達と食べたことだって沢山ある。



だけど…今食べてる肉まんは、なぜかいつもより美味しい。




…大地と一緒に食べてるから、かな。



普段から頼りになって、後輩思いの優しい彼。





『好きだよ』


「ん゛っ!?!っごほ、んん゛っ」


『え』




たまには伝えよう、伝えたらどんな反応をするかなと単なる好奇心ありきで口にした言葉。


それを聞いて急に咳き込んだ大地。





「…唐突だな。びっくりした」


『…嫌だった?』


「!?…っそんな訳ないだろ」




彼は目を逸らして手で口元を押さえながらそう言った。


…頬が少し赤くなってる気がする。



どうやら照れてくれたらしい。




「俺も、好きだ」


『…ありがとう?』


「…どういたしまして?」




お互いなんて返せばいいのか分からなくなって2人で笑い合う。


…大地の普段見れないような反応を見れて少し得した気分。


そんなことを考えながら、彼に分けてもらった肉まんの残りを口へ運んだ。




.

Sugawara Koushi→←Tanaka Ryuunosuke



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作品ジャンル:恋愛
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時雨。(プロフ) - 黒瀬さん» コメントありがとうございます〜〜!!喜んでもらえて何よりです!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 1cbaa373ce (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - クロくんありがとうございます🥰尊いわー (2022年12月22日 21時) (レス) @page14 id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - セチソラ@欲さん» ありがとうございます!!コメントとても励みになります…! (2022年10月2日 8時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
セチソラ@欲 - 素敵な作品ですね!更新頑張って下さい! (2022年10月1日 23時) (レス) @page7 id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - サラミさん» ありがとうございます!!これからも更新頑張ります〜!! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨。 | 作成日時:2022年9月11日 11時

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