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Hanamaki Takahiro ページ11

*




「イルカショーもうすぐで始まるって」


『…人多すぎ』


「そりゃ水族館だからな」





貴大と来た県外の水族館。


イルカショーを見に行くと、沢山のお客さんで溢れている光景が目に入った。



運良く空いた最後列の席に座り、イルカを眺める。


イルカが飛び込んで舞った水飛沫が光を反射してキラキラと輝いていた。




「ママ、いるかさんどこ…?」




遠くから不意に聞こえた、小さな声。


後ろを振り向くと、少し遠くで小さな女の子が首を傾げている光景が目に入った。



イルカショーを見に来たけど席が空いてない、という状態なのだろう。


貴大にちょっと待ってて、とだけ伝えて女の子のいる家族の元へと向かう。





『…あの、最後列でもよろしければ席お譲りしますよ』


「えっ!!いいの!?」


「ありがたいけど…それはあなたに申し訳ないですよ」


『そろそろ帰らないと行けないので、是非』





ちょっとした嘘をついて席へと案内する。


貴大はすぐに察してくれたようで、席を離れて私の元へと歩いてきた。





「ありがとーお姉ちゃーん!!」





手を振ってくれた女の子とペコリと申し訳なさそうに礼をした親御さんに会釈して、イルカショーとは反対の方向へと歩く。

…貴大には申し訳ないことしちゃったな。




「俺、Aのそーゆーところ好き」


『…ありがとう?』



貴大が楽しみにしていたイルカショーを途中で抜け出してしまい罪悪感が募る中、そう言ってくれた彼。

怒られるか拗ねるかするのかと思ってた。





「次どこ行く?」


『貴大が行きたいところ』


「んじゃサメ居るとこだな。れっつごー」





パンフレットを見てサメが居るというコーナーへ向かう。


先程のことを気に留める様子もなく、楽しみだなーと言いながら歩く貴大。




『…イルカショーのこと、ごめんね』


「ん?…全然いいよ別に。俺が見に行きたがってたのはAに見せたかったからだし」





初耳のその事実を聞いて、ちょっぴり顔が赤くなる。


___今なら、言えるかも。





『好きだよ、…貴大のそう言うところ』


「はっ…ばっ、!??!!!」




顔をボッと真っ赤にした貴大を見て、思わず笑みが溢れた。


翌日、水族館で買ったお揃いのキーホルダーを見た及川にからかわれるのはまた別の話。





.

Matsukawa Issei→←Iwaizumi Hajime



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作品ジャンル:恋愛
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時雨。(プロフ) - 黒瀬さん» コメントありがとうございます〜〜!!喜んでもらえて何よりです!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 1cbaa373ce (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - クロくんありがとうございます🥰尊いわー (2022年12月22日 21時) (レス) @page14 id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - セチソラ@欲さん» ありがとうございます!!コメントとても励みになります…! (2022年10月2日 8時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
セチソラ@欲 - 素敵な作品ですね!更新頑張って下さい! (2022年10月1日 23時) (レス) @page7 id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - サラミさん» ありがとうございます!!これからも更新頑張ります〜!! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨。 | 作成日時:2022年9月11日 11時

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