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『勝手に出て行ったくせに、一丁前に心配はするんだ』
「いや、あの」
nb「悪かったとは思ってます。俺のわがままでこんなことになって」
こんなこと、って何？
家から逃げたこと？母から逃げたこと？それとも、今回の事故のこと？
でも、そのどれも翔太のせいなんかじゃないのに。
しかし、そんな翔太に、母は冷たくこう言い放つ。
『そうかもね。それもこれも全部、お前のせい』
冷静に考えれば母の言葉がおかしい事くらい分かるのだが、この時の翔太にそれを考える余裕があるわけもない。
だから、それはまさに呪いの言葉となって翔太に襲い掛かった。
ただでさえ「自分が家を抜け出したから」なんて責任を感じて泣きじゃくっていたのに、図らずも母がその思い込みを裏付ける形になってしまった。
このままでは、翔太はまた元の自己犠牲の塊に戻ってしまう。
nb「…俺、家に戻ります。また母さんと涼太のために何でもしますから、許してください」
「待って！違う！」
nb「いいから。ね、お願いします」
「だめ！母さん俺の話聞いて！」
どうしよう。そんなこと絶対あってはならない。どうすれば、彼らを止められる…？
しかし、次に母が発した言葉は、俺たちの予想を超えていた。
『何言ってるの？私も涼太も、もうお前のことなんかいらないよ？』
nb「え」
『戻ろうなんて、全く虫の良い。お前の居場所なんてもうどこにもないよ？』
あまりの切り捨てっぷりに、翔太は小さく声を漏らしたっきり固まってしまった。
そして暫くの沈黙の後、ボソッとこう呟いた。
nb「…そっか、そうだったね」
「ねえ翔太！翔太！！」
彼はそのままフラフラと去っていく。怪我で動けない俺には追いかけることすら出来ない。
せめて声を振り絞って呼びかけるが、それももはや彼の耳には届いていなかった。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。大好きだなんて、嬉しいお言葉…すごく元気が出ます。私自身この後どうなるかわかっていないのですが（笑）、9人の行く末を最後まで見届けて頂ければ幸いです。 (2020年7月4日 20時) (
レス) id: 593619ab54 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - こんにちわ。いつも更新を楽しみに待ってるただのファンです。まさかの不穏な空気にめちゃくちゃドキドキしてます。こんな引き込まれるお話を書けるなんて凄いです。大好きです。どうかみんなが幸せになれますように、と願いながらこれからもお話楽しみにしてます！ (2020年7月3日 20時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月26日 3時
