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『今度は君？』
櫻井先生にそう聞かれて苦笑いを返す。
救急車でたまたま運ばれた先は、深澤さんがかつて入院していた病院だった。
櫻井先生は本来俺の担当ではないのだけれど、深澤さんの件で俺たち「仲間」のことを覚えていたらしい彼は、わざわざ様子を見に来てくれたのだ。
『怪我はどう？』
「骨折は派手にしましたけど、幸い後遺症が残ったりはしないみたいです」
『そっか。深澤君といい、君といい、悪運が強いねぇ』
「…ご心配をおかけしてすみません」
『まあ俺はいいんだけどさ。この前お見舞いに来てた子とか、もうショックで酷い有様だったじゃん』
「あー、はい…それは何とかします」
『ふふっ。まあ、それだけ仲がいいってことか。じゃあ俺もそろそろ行かないとだから』
「ありがとうございます」
櫻井先生が部屋を後にし、ひとり残された俺はぼんやりと考えを巡らせる。
さっき話に出てきた「お見舞いに来てた子」というのはもちろん翔太のことだ。
知らせを受けて佐久間さんとともに飛んできた彼は、病室で人目も憚らずワンワン泣いて、そりゃもう大変だったのだ。
「だから、2ヶ月もしたら治るから大丈夫だって」
nb「でも、でも、まさか涼太がこんな事故に遭うなんて…！」
「もう、泣かないの。恥ずかしいじゃん」
nb「だって、俺のせいでまた涼太が…！」
「別に翔太のせいじゃないでしょ」
nb「ううん、きっと俺のせい。俺があの家抜け出したりしなければ…あのまま我慢してれば、こんな事にはならなかったかもしれないもん」
(やっぱりね…)
事故にあった瞬間から、翔太がそう言い出すことは何となく予想がついていた。
そして、翔太を隣で慰めている佐久間さんが、それを聞いてどんなふうに思うのかも。
これは案外まずい状況になったな、なんて思った。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。大好きだなんて、嬉しいお言葉…すごく元気が出ます。私自身この後どうなるかわかっていないのですが（笑）、9人の行く末を最後まで見届けて頂ければ幸いです。 (2020年7月4日 20時) (
レス) id: 593619ab54 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - こんにちわ。いつも更新を楽しみに待ってるただのファンです。まさかの不穏な空気にめちゃくちゃドキドキしてます。こんな引き込まれるお話を書けるなんて凄いです。大好きです。どうかみんなが幸せになれますように、と願いながらこれからもお話楽しみにしてます！ (2020年7月3日 20時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月26日 3時
